円は対ドル153円台前半、政局不安で円売り-米金利低下がドルの重し
(ブルームバーグ): 30日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円台前半と、前日夕からやや水準を下げて推移。日本の政局不透明感を受けた円売り・ドル買いと、米労働市場への警戒を背景とした円買い・ドル売りの綱引きとなっている。
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、衆院選後の新政権を巡る思惑から「円は買いづらい」と指摘。日本銀行の金融政策決定会合で利上げに慎重な見方が示されそうなことも円の重しと述べた。
一方、週末の米雇用統計や来週の米大統領選挙を控えてドルの上値も重くなりつつある。山本氏は米労働市場の不透明感もあり、上昇してきた米金利やドルは調整しやすいとみる。
29日の海外時間は、9月の米求人件数が2021年1月以来の低水準となった上、米7年国債入札が堅調な結果となったことから米金利が低下、ドルも上げ幅を縮小した。金利スワップ市場では、年内残り2回の連邦公開市場委員会(FOMC)で計40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを織り込んでいる。
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Daisuke Sakai