【ジャパンC近10年の傾向】走破タイムは年々速く ラップも緩まない傾向に
ドウデュースやオーギュストロダンをはじめ、国内外から強豪が集った今年のジャパンカップ(3歳上・GI・芝2400m)。過去10年の傾向から、的中へのヒントを探っていく。今回は「ペース、走破タイム」にスポットをあてる。 【写真】2分20秒6をマークした歴史的名牝アーモンドアイ 同レースにおいて3着以内に入った外国馬は、ディープインパクトが勝った07年のウィジャボード(3着)が最後。近年は日本馬のレベルアップに加え、速い走破タイムへの対応が遠征馬の課題とされる。そこで、86年~93年、94年~03年、04年~13年、14年~23年と、10年ごとに区切って、走破タイムを比較してみたい。 84年~93年 2分24秒96 94年~03年 2分25秒31 04年~13年 2分24秒23 14年~23年 2分23秒70 ※02年の中山開催は除く 馬場状態などに左右されるため、一概には比較できないが、90年代中盤~00年代初頭と比べると、平均で1.5秒程度早くなっているようだ。18年にはアーモンドアイが2分20秒6の世界レコードで勝利。昨年のイクイノックスも2分21秒8の過去2番目に速い時計で駆けており、持ち時計は予想のうえで重要なファクターのひとつになりそうだ。 また、前半5ハロン、ゴールまで5ハロンの平均ラップも調べてみた。 86年~93年 60.04-59.98 94年~03年 60.83-60.18 04年~13年 60.48-58.84 14年~23年 59.98-59.55 ※データが確認できる86年以降。02年の中山開催は除く。 すると、04年~13年まではスローの瞬発力勝負が目立ったものの、近年は前後半の差がまた小さくなっていることがわかる。馬場状態が良いことも影響して、道中でのラップが緩まず、スタートから位置を取ってあがり上位の脚を使うか、後方から圧倒的な決め手でねじ伏せる必要がありそうだ。 日本競馬のほうが前半から流れるため、欧州馬はスピード負けしてポジションを取れない可能性がある。一方で、天皇賞(秋)で32.5秒の圧倒的な決め手を見せたドウデュース。そして、ある程度の位置からしまいの脚をまとめられるチェルヴィニアは、やはり大崩れが考えにくい。