新型日産NV200バネットMYROOM登場 キャンプをもっともっと気軽にする創意工夫なミニバンとは
日産の「NV200バネット」に、「MYROOM」が新たに追加される! ひと足はやく実車を見た小川フミオがリポートする。 【写真】新型NV200バネットMYROOMの全貌(61枚)快適すぎる室内を見る
コンパクトだけど機能性十分
日産は、新たにNV200バネットMYROOMを、2024年10月1日に発表した。新たな車中泊のカタチを提案するという、このコンパクトサイズのキャンパーは12月に発売される。 「自分のお気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んでリラックス(憩うこと)が出来る」というのが、日産によるMYROOMコンセプトの説明だった。23年11月には第1弾「キャラバンMYROOM」を発売、ローンチエディションは比較的高価な限定190台がすぐ完売したそう。 NV200バネットMYROOMは、キャラバンより小回りが効くサイズがセリングポイント。全長4695mm、全幅1695mm、全高1975mmのキャラバン版に対して、4400mm、1695mm、1850mm(規準車)となる。 ちょうど良いサイズ、と日産ではする。最大5名乗車可能だが、快適なのは2人までだろうか。ベッドに早変わりする後席シートなど、2人での車中泊に対応している。かつ、「1人でゆったり」(日産)と、いわゆる“ソロキャン”ユーザーもターゲットだ。 キャラバンと比較すると、ベッド幅スペースは同等だが、荷室長が3050mmに対して1900mmであり、ベッド長も最大2228mmに対して、NV200バネットMYROOMは1840mmとなる。それでもたいていの人には充分な長さだろう。 ベッド高は、大人がベッドに座っても頭が天井にぶつからない、と、同時に、ベッド下に1000Wクラスのポータブルバッテリーや買い物カゴを搭載できるようバランスをとって設定されたそうだ。
多機能なリヤシート
後席には「2 in 1」と名づけられたシート機構を搭載。移動時は前向きでも、停車時は後ろに向けてソファになる。風景のよい場所にとめたら、テールゲートを開けて、シートをソファに変えて2人並んでお茶を飲む……なんてことも出来る。 エンジンは基準車とおなじ、1597cc4気筒ガソリン。83kWの最高出力と105Nmの最大トルクを発揮。変速機は、後輪駆動車には無段変速機CVT、4輪駆動車には4段オートマチックが用意される。 後輪駆動車には「コンフォートサスペンション」を搭載。積載に応じてバネ乗数が変化するサスペンションにより、市街地でも高速道路でも“乗用車ライク”とされる。快適な後席の乗り心地も追求したそうだ。 キャラバンMYROOM購入者を年齢層でみると、日産が調べた結果、50代が最多の35%、それに40代が27%という。比較検討車はあったか? の問いに、なかったと答えたひとが92%とのことで、日産は鉱脈を掘り当てたのかもしれない。 キャラバンMYROOMの内装は塗装をしていないような白木調が特徴。NV200バネットMYROOMも同様の意匠を採用。他の仕様を求める声はなかったのか? と、日産の担当者に訊くと「カップルで購入する人が多く、特に女性に好評だったので、引き続き(同様の意匠を)採用しました」ということだった。 販売価格は400万円台半ばを予定、と日産。受注は発表後から開始されるようだ。キャラバンMYROOMローンチエディションの価格が600万円台中心だったことを考えると、絶妙な設定だ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)