AIツールを用いた「英語力」の伸ばし方。超実践的な4つの学習事例はコレだ!
「ネイティブなら?」にすぐ答えてくれる
突然ですが、以下の日本語を英語で何と言うかすぐに出てきますか? 髪を全体的に3cmほど切ってもらえませんか? この文は、山中教授がイギリスに留学していた頃、理容室で髪を切ってもらうときにうまく伝えられなかったフレーズだそうです。大学で英語の授業を受け持っている山中教授ですら、正確に表現するのは今でも難しいとのこと。 ちなみにその理由はセンスでも努力不足でもなく「母語話者の直感」があるかないかだそうです。 英語学習者は、単語や文法、フレーズを何度も反復することで話せるようになりますが、英語のネイティブスピーカーは直感で話せます。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ネイティブと学習者にははじめから大きな差があるのです。 しかし、ChatGPTが登場したことで、これまで英語学習者が逆立ちしてもたどり着けなかった直感の領域から、いつでも回答を引き出すことができるようになりました。しかもChatGPTなら「なるべく簡単な表現で教えて」「少し丁寧な言い方で教えて」と注文をつけて出力を調整することができます。 ちなみに、セミナー終了後に筆者がChatGPTに質問したところ、以下のような返答がありました。
改めて考えたい、英語を学ぶ目的
現在の日本でも、仕事で英語を使っている人は数多くいます。 たとえば、海外でつくっている部品の発注や受注、催促、価格交渉、時にはお詫びなどの場面で、英語で話したりメールを送ったりするでしょう。 山中教授は、このようなシチュエーションで使われる英語はパターンに基づいたコミュニケーションであることを指摘し、今後はAIに置き換わると予測しています。そして、以下のように続けました。 これからの時代は、たとえばM&Aをする、海外に子会社をつくる、あるいは何か新しい事業をはじめたり、多くの人とビジョンを共有し、議論しながら一つの製品をつくっていく場合など、パターンにおさまる英語力ではなく、みなさんの人間力を含めた複雑な要素が混ざり合った英語が求められるでしょう。 AIは一般的なことしか言いませんから、みなさんのオリジナリティや人間性を加味した英語力は自分で磨くしかありません。TOEICなら800点以上、英検なら準1級以上でしょうか。パターンが決まっているような会話程度であれば、もう英語を勉強する必要がない時代がすぐそこまで来ているとも言えますね。 生成AIを活用してより効率的に英語学習を進められる一方で、英語を学ぶ目的を再考する必要があるかもしれません。 いきなりChatGPTだけで英語学習をはじめたり、続けるのはハードルが高いと感じたりしたら、教師と一緒にAIを活用しながら学習を進めるのも一つの手です。 今回のセミナーを開催したQQEnglishでは、ChatGPTを使って受講生が作成したレッスンスライドをもとに授業を行う「AIGC英会話」がスタートしました。自身のスタイルに合ったAIを活用した英語学習を試してみてはいかがでしょうか。 Source: QQEnglish
重田信