お風呂キャンセル界隈、お尻に企業の広告掲載…注目を集め続ける「破天荒アイドル」の正体
世界売り上げが400万本を突破したゲーム「ストリートファイター6」。開発を担当したディレクター・中山貴之氏は数年前から、とあるアイドルにハマっているという。 【写真】アイドルVS.『ストリートファイター6』ディレクターのバトル勃発! その名は、鈴木Mob.。 アイドル『にっぽんワチャチャ』の青色担当で、「鈴木Mob.のお尻に御社の広告をつけませんか? スポンサーを募集しております」という取り組みがバズったり、最近では「お風呂キャンセル界隈」代表としてメディアに出たりと、とにかく破天荒なアイドルである。 そんな彼女が10月31日発売のフライデーに登場! グラビア×ストリートファイターのコスプレという型破りなページとなっている。中山さんから見た、鈴木Mob.さんの魅力とは(特別対談第3回)。 ◆ストリートファイターとアイドルの「共通点」 中山:Mob.さんを知ったきっかけでもある、泣きながら白玉をこねる動画の素晴らしさを語ると長くなるんですが……これをコンテンツにして発表するスマートさはすごい。普通の人はやらないですよ。 Mob.:家帰りたいよと泣きながら白玉をつくる。ふつうは恥ずかしいことですから。 中山:SNSについても、めちゃくちゃ考えられていて、セルフプロデュース力が高い。人生2周目なんじゃないかというくらい、狙っているところが鋭いんですよね。 Mob.:もともとは、面白いことを発表するのが好きなんです。最近もアーティスト写真を撮る時に、ストリートファイターのポーズをとってコラ画像を自分で作りました。そんなことをしているアイドルは他にいないじゃないですか。 ―最近ではお風呂キャンセル界隈としてネット番組にも出演されていましたね。 Mob.:ライブやって、ゲームやったら、お風呂入る暇なくないですか。 ―ファンとしては、どのように見ていらっしゃいますか? 中山:それはもう、そういうものとして。(お風呂に)入っても、入らなくても、思ったようにやっていただいて。嬉しかったのは、Mob.さんがABEMAに出た時にワイプで「顔芸」していたことですね。 Mob.:ストリートファイターの対戦前に、キャラクター同士がにらみ合う。その時に、(コントローラーを)動かすと、顔が動くんですよ。それをやっていました。お風呂キャンセル界隈のなかでも、スト6オタクとしての実力を発揮していました。 中山:すごくないですか? クリエイティブ。 Mob.:アイドルになった時に、3年で武道館が決まらなかったら解散と決まっていたので、一般の人が面白がることを考えて、たとえば「お尻にスポンサー広告をつける」なんてことをやっていました。 ―それぞれの道でクリエイティビティを発揮されているお二人ですが、アイドルとストリートファイターに重なる部分はありますか? Mob.:ストリートファイターも、アイドルみたいなものですよね。ストリートファイター6というグループにキャラクターがいて、ファンは推しをつくる。アイドルオタクは応援でアイドルを支えるけど、ストリートファイターはプレイすることでそのキャラクターを支えられる……アイドルっすね。 中山:そう言われると、そうなのかな(笑)。アイドルも、ゲームも、それにしかない世界観や雰囲気があるという共通点はあるかもしれません。制作側も同じで、「面白かったらなんでもやる」というのがうちのチームの鉄の掟なんです。 ◆「オタ活のしがいがありすぎる」 ―だから今回の企画にOKしていただけたんですね! ゲームによって、制作チームのカラーはぜんぜん違うものなのでしょうか。 中山:先日、いろんなチームが集まるイベントがあったんですけど、ストリートファイターのチームは「荒くれ者」という雰囲気。楽しんでなにが悪いというマインドで、面白いと思ったことを、誰でも発言していい雰囲気がある。自分にとってゲームは作品ではなくて商品です。遊んでもらって初めて意味が出るものだから、まず手に取ってもらうために、面白いことはやったらやっただけいいという考えなんですよね。 Mob.:ストリートファイターはコラボをたくさんしていますが、オタクとしては本当に楽しいんですよ。ゲームをしていない時も、ストリートファイター6のことを考えられる。グッズも多くて、たとえばキャラクターのぬいぐるみなんかもある。 中山:最初はアクリルスタンドだけだったんですが、女性ユーザーの方からぬいぐるみだと荷物を入れる時に運びやすいという話があって、すぐに作りました。 ―女性のユーザーも多いのでしょうか。 中山:シリーズの中では断トツで女性ユーザーさんが多いですね。 Mob.:イケメンおるし、BL要素もあるので……。 中山:実は、ちょっとは狙っているんですよ。発売の1年前にストリートファイター6が出るぞと発表したんですが、そのわずか半年後にBLの本が出たんです。まだゲームが出ていないのに……すごくないですか? ファンになってくださる方の想像力は、作っている側の数百倍上をいっている。キャラクターの絵が2枚しか出ていなくても、それで本を描けちゃうんです。 Mob.:腐女子をなめちゃいけません。私も腐女子なんですけど、キャラクターがいたらだいたいわかります。 中山:どう思うかは、受け取り側の自由です。 Mob.:それを許してくれる運営の寛容さです。オタ活のしがいがありすぎる。 中山:小学生の時にハマったストⅡが、まさにそんな状態だったんです。右みても、左みても、ストリートファイターのグッズがある。文房具とか、春麗の絵が描かれた子供用のパンツもあったんです。同じようなことが「6」で起きてほしいなと思っていたので、発売前からグッズの相談をしたり、準備していましたね。 ◆「面白いと思ったことはぜんぶやったほうがいい」 ―ここまでの名作を作られたわけですが、次はどんなゲームを作るのでしょうか。 中山:「6」を作る時のコンセプトは、「7を作れなくしてやれ」だったんです。「7作るやつは困ればいい」という思いで作った。でも、それを超えてきてほしいという思いもあります。 自分はストⅡを遊んでいて、偶然、6番目をさせてもらった人間です。次も作ることになるとは限らないですが、これから作りたい人にチャンスを与えて、バックアップできたらいい。 ―Mob.さんの目標は? Mob.:アイドルとしては、3月31日の武道館を成功させることです。にっぽんワチャチャが好きな人8000人で埋めて、みんなで楽しかったなというのがゴール。他のメンバーでもポケモンカードをやっていたりとか、いろんな趣味のメンバーがいるので、いろんなオタクが集まってライブができたらいいなと思っています。 ―最後に、中山さんにオタクとしての目標を。 中山:オタクとしての目標!? 全人類に、3月31日に武道館に行っていただくことですね。ライブに行くまでの障壁ってけっこうあると思うんですよ。アイドルさんのライブに初めて行くのはハードルが高い。 格闘ゲームも同じで、「難しそう」「怖そう」という壁があります。それを壊すために、ワールドツアーというモードを作ったり、イベントをやったり、グッズを作ったりしました。ゲームとアイドルでジャンルは違いますが、Mob.さんもやっていることは一緒です。 人生は一回だから、面白いと思ったことはぜんぶやったほうがいい。だから全人類、にっぽんワチャチャのライブに行ったほうがいいです!
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