新垣結衣、飯豊まりえ、川口春奈、永野芽郁…「ニコモ系女優」はなぜ男女を問わずモテ続けるのか
歳を重ねても透明感を保ち続ける存在
また、「ニコモ」としては表紙を飾ることもなく、パッとしなかったものの、女優として成功(? )した人に沢尻エリカがいる。 といえば、川口春奈とのヒロイン交代劇が思い出されるところだ。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」を沢尻が不祥事で降板、その代役を務めた川口が第一線へと飛躍した。 どちらも気が強いタイプだが、天才肌の沢尻と違って、川口は努力家でもある。ニコモ時代、東京に引っ越すまでは毎週のように、地元の長崎県福江島と東京とを往復。帰りは博多から島まで9時間かかる船旅を選ぶという、涙ぐましい節約もしていた。沢尻よりも川口のような女の子が輝けるのが「ニコモ」の世界なのである。 そういう意味で「ニコモ」は同世代の女子だけではなく、大人から見ても十分に好ましい少女像を体現している。 新垣や飯豊、川口、永野、清原といった女優たちは、その少女像そのままに大人へと成長していった印象だ。そこが幅広い支持、両性からのモテや嫌われにくさにもつながっているのだろう。 その強みをひとことで表すなら「透明感」ということになる。近年、スキャンダラスな不透明感がますます忌避されるようになってきた芸能界。そんななか、歳を重ねても透明感を保ち続ける「ニコモ」系女優は、ファンにとっても業界にとっても安心して推せる存在なのだ。 ・・・・・ つづく記事『橋本環奈と浜辺美波はなぜ成功できたのか…? そして、次に来る「芦田愛菜世代」の有望株の顔ぶれ』では、二人が若手女優のツートップ的存在にのぼりつめた理由について、迫っています。
宝泉 薫(作家・芸能評論家)