新垣結衣、飯豊まりえ、川口春奈、永野芽郁…「ニコモ系女優」はなぜ男女を問わずモテ続けるのか
「ポップティーン」との世界観の違い
では、そんな「ニコモ」系女優の特徴は何か。 雑誌の性格上、彼女たちは理想の少女像を託され、そこに向かって努力することになる。しかも「ニコラ」は十代女子向け雑誌のなかでも比較的、上品さや真面目さが売り。ネット上に公開された媒体資料にも「読者の特性」として、こんなことが記されている。 「読者イベントでは、全身新品・おしゃれな格好をしている子が多い。勉強や部活をがんばる真面目な子が多い」 実際、博報堂教育財団・こども研究所が行った取材でも「勉強」や「文房具」「塾コーデ」などの企画が人気だと、編集部が答えていた。 また、読者が求めるオシャレの方向性は、可愛くて、かつ、浮かないというもの。それゆえ「ニコモ」たちの動画を見ても、仲良く和気あいあいとした雰囲気が目立つ。いわば、そこそこ高偏差値で、いじめもなさそうな“お嬢さま系私立女子校”みたいな世界なのだ。 そんな世界観を逆説的に浮き彫りにしたのが、2018年から翌年にかけて実施された「TNM(トップ・オブ・ニコラ・モデル)」というイベント。ニコモたちが表紙登場の権利を目指し、バトルする趣向だったが、同時期に「ポップティーン」が行った「ポプ戦(Popteenカバーガール戦争)」と違い、読者ウケはイマイチだった。 このイベントでは、途中でリタイアしてしまった子も。上品さや真面目さという「ニコモ」っぽさを煮詰めたようなキャラで「ニコ☆プチ」でも人気を博し、将来を有望視されていたが、激やせをきたし「学業専念」を理由に活動を休止した。 数ヵ月後、復帰したものの、通常のタイミングより一年以上も早く「ニコモ」を卒業。読者のあいだではこの子が「TNM」のせいで調子を崩したのでは、とも囁かれた。そんなこんなで、このイベントは一度きりで終わっている。 一方「ポップティーン」はそんなバトル企画も面白がられる世界。ギャル的というか、活発で弾けた感じの女の子がよしとされ、歴代のトップを見ても、舟山久美子や藤田ニコル、池田美優のように、タレント転身系が主流だ。生見愛瑠のように女優として成功する人は、例外ともいえる。 ちなみに、藤田は「ニコラ」グランプリ出身で「ニコモ」としてもまずまずだったが、卒業して「ポップモデル」になってから大きくブレイクした。