目の前にドンファンがいたら…との問いに元妻「死に方考えてほしかった。私は人殺し扱い」 紀州のドンファン被告人質問詳報
被告「亡くなった後に社長(野崎さん)の家に出入りするときに身に着けていたものなので、いつ(覚醒剤が)ついていてもおかしくない」
そして、検察側からの最後の質問で野崎さんが死亡したことへの思いを問われ、「目の前にいるなら文句を言ってやりたい」と被告が語ったことにも言及する。
弁護人「今、目の前に野崎さんがいれば何を言いたい」
被告「うーん…」
しばらく沈黙した末に答えを絞り出す。
「もうちょっと死に方を考えてほしかった。社長(野崎さん)があのタイミングで死んだせいで私は何年も人殺し扱いなので」
■「目先の100万円が大事」
口調は冷静ながらも、事件後に置かれた自身の境遇への不満をにじませた被告。最後に裁判員や裁判官が質問する。まずは裁判員が、野崎さんから覚醒剤の購入を依頼されて密売人に接触したことがあるとする被告の説明に関して問う。
裁判員「家政婦が掃除をした際に覚醒剤を見つけてしまうとの懸念はなかったか」
被告「(野崎さんの部屋は)ぐちゃぐちゃ。掃除をするけどザッとしかしないので気にしていなかった」
裁判員「証人尋問では、野崎さんは『出所が不明なものは口にしない』との証言もあった」
被告「うーん。自分で用意させたものは口にするんじゃないかな」
裁判員「野崎さんに食べ物や飲み物をプレゼントしたことは」
被告「ないです」
これまで被告は、野崎さんとの関係を「お金目当て」と一貫して語ってきた。
裁判員「遺産と(結婚する条件の)毎月100万円、どちらに重きを置いていたのか」
被告「私は目先の利益派なので毎月100万円のほうが大事」
裁判員「遺産はいつかもらえればラッキーぐらい」
被告「そうです」
裁判長も、覚醒剤の購入依頼について尋ねる。検察側からの質問では、捜査段階ではそうした説明をしていなかったことが明かされている。
裁判長「その話を最初にした相手は誰ですか」
被告「(弁護人の)先生です」
裁判長「いつ」
被告「起訴後に拘置所に移ってからです」