今季2度目の東京ダービーはゴールレスドロー…アウェイの緑が圧倒も青赤の守護神・野澤大志ブランドンが再三好守で立ちはだかる【明治安田J1第27節】
明治安田J1リーグ第27節のFC東京vs東京ヴェルディが17日に味の素スタジアムで行われ、0-0のドローに終わった。 前節、ホーム開催となった川崎フロンターレとの多摩川クラシコに0-3と惨敗した8位のFC東京。中断明けは2試合連続無得点での1分け1敗と調子を落とす。上位浮上へきっかけを掴みたい青赤は、宿敵とのホームゲームで4試合ぶりの白星を目指した。その前節からは先発3人を変更。名古屋グランパスに期限付き移籍した徳元悠平に代えて長友佑都、岡哲平と安斎颯馬に代えて森重真人、荒木遼太郎を起用した。 一方、名古屋とのアウェイゲームに0-1で敗れ、2試合連続ウノゼロ負けでの今シーズン初のリーグ連敗となった13位の東京V。宿敵相手の勝利でリバウンドメンタリティを示したい緑は、前節から先発1人を変更。見木友哉に代えてキャプテンの森田晃樹を10試合ぶりにスタメン復帰させた。 台風一過の酷暑のなか、3万9921人を集めた今季2度目の東京ダービー。キックオフ直後から球際でバチバチとやり合うダービーらしい攻防が繰り広げられると、開始3分にはホームチームにいきなりの決定機。ディエゴ・オリヴェイラのポストワークから右サイドのスペースに抜け出した仲川輝人がそのままボックス内に持ち込むが、うまく間合いを潰したGKマテウスの好守に阻まれる。 対するアウェイチームも木村勇大、染野唯月の前線のターゲットを使いながらサイドを起点に前進。7分にはショートカウンターから齋藤功佑が左足のミドルシュートで最初の枠内シュートを記録する。 時間の経過とともにゲームのテンポが落ち着き始めると、アグレッシブな守備でリズムを掴み始めた東京Vがいい距離感でボールを動かしながら攻勢を強めていく。だが、最後の局面で連携ミスや相手の身体を張った守備に阻まれ、決定機まであと一歩という場面が目立つ。また、20分には続けての球際の激しい接触で小泉慶、谷口栄斗の間で小競り合いに。一気にスタジアムのボルテージが上がった。 前半半ばから終盤にかけては互いにプレス強度を落とし、ミドルブロックで構える場面が増える。これに伴い、ボールの主導権を入れ替えながら遅攻で攻め合う形となり、膠着状態に陥っていく。 37分には山田楓喜の見事なサイドチェンジから左サイドを攻め上がった翁長聖を起点に、東京Vが大きなサイドの揺さぶりから決定機を生み出すが、最後の折り返しが味方に合わない。さらに、東京Vは42分にも左に大きく流れた松村優太がボックス手前左角から右足インスウィングのピンポイントクロス。これを大外の齋藤功佑が右足ダイレクトで合わすが、惜しくもシュートはサイドネットを叩いた。 内容的にはアウェイチームペースもゴールレスで折り返した後半。互いに選手交代なしで臨んだなか、立ち上がりに東京Vに決定機。47分、前線でのボールキープから右サイドでオーバーラップした松村に繋がると、GKとディフェンスラインの間に絶妙なクロスが供給される。ファーでフリーの翁長がワンタッチで折り返すが、これはDFのクリアに遭う。 立ち上がりの守勢を凌いだホームチームも53分に最初の決定機を創出。左サイドの連携で遠藤渓太がスペースに抜け出して正確なクロスを供給。ペナルティアーク付近で収めた荒木が右足を振るが、これはDFに触られて枠を捉え切れず。 一進一退の攻防が続くなか、先に動いたのはアウェイチーム。66分、森田と山田楓を下げて見木、山見大登を同時投入した。すると、交代直後にこの試合最大の決定機。右サイドでのスローインの流れからボックス内で細かい連携をみせ、染野がゴール右ライン際でクロスを上げる。これをファーでフリーの山見がダイビングヘッドで合わせるが、枠の左を捉えたシュートはGK野澤大志ブランドンのビッグセーブに阻まれる。 守護神のビッグプレーで失点を回避したFC東京は直後の70分にこちらも2枚替え。仲川、遠藤の両翼を下げて安斎、俵積田晃太とフレッシュな生え抜きアタッカーをピッチに送り込んだ。 2-2の打ち合いとなった前回対戦とは打って変わって完全に1点勝負の様相を呈するなか、75分には東京Vに続けてのビッグチャンス。山見の右CKから染野が枠の左隅を捉えたヘディングシュート、波状攻撃からボックス右の松村が右足を振るが、染野のシュートは再び相手守護神のビッグセーブにはじき出され、松村のシュートもわずかに枠の左へ外れた。 80分にはFC東京にアクシデント発生。至近距離から染野の強烈なシュートを側頭部に受けた森重が脳震とうで意識を失ってピッチに倒れ込むと、異変に気付いた両チームの選手がすぐさまメディカルと担架をピッチに呼び込む。応急処置と担架でピッチを去る際にはダービーながらアウェイサポーターからも温かな拍手が送られ、代わって岡がスクランブル投入となった。 互いに選手を入れ替えながら試合は0-0のまま最終盤に突入。勢いで勝る東京Vは山見、齋藤らが再三の際どいシュートを浴びせかけるが、GK野澤の牙城をあと一歩で崩し切れない。6分が加えられた後半アディショナルタイムの猛攻も実らず、試合はこのままタイムアップ。 緑がアウェイで圧倒も、青赤の守護神の獅子奮迅の活躍によって前回対戦同様のドロー決着となった。 FC東京 0-0 東京ヴェルディ
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