米民間雇用者数、1年余りで最大の伸び-力強い労働需要示す
(ブルームバーグ): 米国では10月に民間雇用者数の伸びが加速し、1年余りで最大の増加となった。労働需要が極めて堅調なことが示された。
10月は教育・医療サービス、貿易・運輸の分野で特に大きく伸びた。雇用が減少したのは製造業のみだった。
9月から10月にかけては米南東部に2つのハリケーンが襲来したほか、ボーイングで数千人の従業員がストライキを実施。今回のADP統計は、そうした中でも労働市場が健全な状態を維持したことを示唆している。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「ハリケーンからの復興のさなかでも、10月の雇用の伸びは力強かった」と発表文で指摘。「米企業の採用ペースは10月に急加速し、雇用の伸びは1年余りで最大となった。労働需要が驚くほど力強い状況を浮き彫りにしている」と続けた。
この日の統計によると、賃金の増加ペースは鈍化し、2021年以来の低い伸び。転職した人の賃金は前年同月比6.2%増、同じ職にとどまった人の賃金は4.6%増だった。
雇用者数は、地域別では南部が最も大きく増加。事業主の規模別では、従業員が500人以上の企業で最も伸びた。
ADPは民間部門従業員2500万人以上の給与データに基づいて調査結果を発表。ADPのデータは、政府の雇用統計より自然災害やストライキの影響を受けにくい傾向があると、ゴールドマン・サックスのエコノミストは指摘している。10月の雇用統計は11月1日に発表される。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Hiring in ADP Data Rises to Fastest Pace in More Than a Year(抜粋)
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Jarrell Dillard