渡辺恒雄氏死去 平成の時代彩った「ナベツネ語録」 00年大逆転V「長嶋ってのはメークドラマな男だな」
◇渡辺恒雄氏死去 【ナベツネ語録】 ▼96年4月5日(開幕戦に快勝も3三振を含む5タコの新外国人マントを酷評)全員良くて、一人だけトンマがいる。“クスリ”と“マント”だけは逆さに読んだらいけない。 ▼97年9月30日(FAでメジャー移籍の可能性があった桑田に)俺が肩代わりしている17億円の借金はどうなるんだ。それをクリアさせてからだ。17億円をどうにかしてから、考えろ。 ▼98年1月6日(前立腺がんの手術を受けることを発表)まあ、僕からみれば盲腸のようなもの。どうってことない。 ▼00年9月24日(9回に大逆転してリーグ優勝を決め号泣)一生に1度か2度だよ、男が泣くチャンスは。9回裏の逆転…。ドラマチックすぎる。今日は駄目だと思った。長嶋ってのはメークドラマな男だな。 ▼同11月2日(オーナー会議で代理人交渉を認める方針で一致したが)巨人の選手が代理人を連れてきたら?5、6000万円もうかると思ったら大間違いだ。こっちは2、3000万円(年俸を)下げるだけ。それが嫌なら自由契約。巨人に入りたいやつはいくらでもいる。 ▼01年9月28日(長嶋監督の退任発表に)長嶋監督は英雄であり神様だ。私は“引退”とは思っていない。 ▼02年1月18日(検討している交流戦について)パだけで決めてもしようがない。俺が疑問に思うのはペナントの成績に異なった要素を入れると記録としておかしくなる。それは簡単には妥協できない。 ▼同11月1日(松井がメジャー移籍を決断したことに)松井君の巨人に対するこれまでの貢献に報いるためにも、彼の希望に応えてやるのは当たり前。巨人魂をニューヨークで見せてくれれば一番いい。 ▼同11月22日(中村紀の阪神との獲得競争について)こっちにはペタ(ジーニ)がいる。土下座してまでおいで願わなくてもいい。巨人には巨人カラーがある。 ▼03年9月26日(原監督の辞任、堀内新監督の就任会見で)辞任とか解任ではなく読売グループ内の人事異動。 ▼04年3月5日(4日に長嶋茂雄終身名誉監督が脳梗塞で緊急入院)治る。絶対に治る。左脳をやられていると言語中枢が多少やられる。オリンピックに間に合ってくれればこんないいことはないが、無理に合わせようとすると悪くする恐れがある。今はゆっくりストレスを取って治してもらうのが一番。 ▼同6月30日(ライブドアが近鉄買収に名乗りを上げたことに)今度はサラ金の人じゃないけど、知らない人が入るってわけにはいかん。プロ野球ってのは伝統がある。金さえあればいいってもんじゃないよ。 ▼同8月13日(スカウト活動で計200万円を手渡す不正行為を受けオーナー辞任発表)多くの関係者がプロ野球をどう発展させるかを真剣に議論している重大な時期に、球界の将来をどうするかとは別の問題であるとはいえ、ルール違反を犯した責任は重く、球団幹部を厳しく処分するよう指示しました。 ▼同8月27日(オーナー辞任後初めて報道陣に対応し)7月の段階で俺は2リーグ制を各方面に説いて、球界の首脳何人かに言ってある。ただし、交流試合を入れた新しい2リーグ制だ。5対5の2リーグ。これでやると確固とした考えで、7月ごろから各方面を説得している。 ▼11年11月4日(清武英利球団代表が発表したコーチ人事に)何の報告も聞いてない。俺に報告なしに勝手にコーチ人事をいじくるってのはそんなのあり得るのかね。俺は知らん。 ▼12年3月19日(朝日新聞が「巨人、6選手に高額契約金」の見出しで1面などで報道したことに)内部文書は秘密文書。これは窃盗された文書だ。つまり泥棒だな。(清武氏の関与について)他に誰がいるのかい。全部調べたよ。 ▼同8月26日(ラジオ番組に出演し松井、イチローについて言及)(松井は)選手としては限界にきちゃってる。コーチとして指導ができるかどうか。(イチローは)頭のいい男。彼ほどの人物は野球界にはそうはいない。 ▼13年1月7日(12年限りで現役を引退した松井氏について)今、原君の後を継ぐ(監督)っていうのがいないんだよ。松井君は最適だよね、こちらから見れば。松井君の方がどう考えるか。帰ってきたら会うから。会って頼む。 ▼同3月22日(巨人の激励会で)足の指(の骨)を2本折って、しばらく入院している間に腸のポリープを2つ取った。86歳の老人がケガをみんな背負い込んだから、選手はもうケガはせず、元気はつらつとできるに違いない。 ▼16年7月7日(首位・広島に大差をつけられ)由伸(高橋監督)の責任じゃないからな。フロントだよ。補強してないんだから。今の陣容で勝てったって無理だよ。無表情だというけど、感性豊かだ。長嶋も王も、ボロボロ(のチーム)になったのを引き継いだ時に負けてるじゃねえか。