“お金がほしい”若者はどう制約から自由になるか。「お金を貯めることしかり、人生しかり」と話す投資会社役員が考える当たり前の策
小さな目標を立てることで夢が生まれる
そうした若者たちに「では夢はあるかい?」と尋ねると、定型文のように「今はない」との答えが返ってくる。 3年後、5年後にまた会って彼らに「夢はできたかな?」と尋ねても、同じように「今はない」との答えが返ってくると思う。 今、したいことがなければ、今後もしたいことは見つからない。今、夢がなければ、今後も夢を持つことはできない。 だからこそ、小さな目標を決めてそれに挑戦、できたことを見つけてそれを認識し、「できない」「やれない」「あとでやればいい」といった制約をとっぱらうことが必要なのだ。 「本当にしたいこと」や「絶対に叶えたい夢」は、「できた」「自分はやれる」「やってみるか」から生まれ、それを成長させてこそ、手に入れられる。 つまりは行動することなしに、変わることはできないのだ。 ベストセラー『嫌われる勇気』で有名な世界的心理学者のアルフレッド・アドラーはこれを、「過去と他人は変えられない。変えられるのは、自分自身と未来だけ」と表現している。 だからこそ、小さな目標を設定し、それをクリアする行為を、雪だるまのように積み重ねていくべきだ。 そのためにはカレンダーに目標達成すべき日付を入れ、今日からその目標に向かって歩み始めてみよう。 目標が達成できたらまた一歩高い目標を設定し、それを雪だるまを大きくするように少しずつ大きくしていく。 お金を貯めることしかり、人生しかり。成功は、自分の意思と行動からしか始まらないと肝に銘じよう。 熊谷幹樹 2001年、日本発の独立系投資信託会社であるさわかみ投信株式会社に入社。アナリスト・ファンドマネージャーを経て取締役運用調査部長に就任し、現在同社の戦略立案実行部門を主導。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA®)
熊谷幹樹