市長の不信任提出へ、採決可決の公算…性的関係巡り
女性から性的関係を巡る訴訟を起こされ、和解した大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)について、市政の混乱を招いたとして、20日の市議会(定数24)で不信任決議案が提出されることになった。19日の各会派の幹部会合で決まった。20日に即日採決され、可決される可能性が高い。可決された場合、永野氏は10日以内に市議会を解散しなければ、自動失職する。 不信任案は、市議の3分の2以上が出席し、4分の3以上が賛成すれば可決される。全員が出席した場合、18人の賛成が必要。19日の時点で、提出には19人が名を連ねている。 【写真】女性との関係を巡り、記者会見した岸和田市の永野耕平市長(6日)
永野氏は19日、市役所で記者団に「明日の審議の結果をみて考えたい」と述べた。解散の可能性については、「選択肢にはある」と語り、否定しなかった。 永野氏は性的関係を巡って女性から提訴され、11月に永野氏が解決金500万円を支払うことで和解した。大阪地裁は和解調書で、永野氏について「(女性より)優越的立場にあった」とし、公人で配偶者がいることも踏まえ、「性的な関係を持つことはよくよく自制すべきだったという非難は免れない」との所見を示した。
永野氏は当初、「裁判の内容は話せない」としていたが、今月6日の記者会見で不倫を認めて謝罪し、「対等な関係にあると思っていた」と釈明した。所属していた地域政党・大阪維新の会にも同様の説明を行い、離党勧告処分を受けて離党した。 市議会は説明責任を果たしていないとして反発し、永野氏に議会への出席見合わせを申し入れ、議会は市長不在の状態が続いていた。 不信任案では、「議会に説明を怠りながら、所属政党には説明し、公人にあるまじき行為だ」と指摘。過去にも庁舎建設や小中一貫校の整備を巡って混乱したとして、「市政運営を任せることはできない」とした。 女性関係を巡って首長への不信任案が可決されれば、異例となる。 2003年、青森県知事だった木村守男氏(故人)の「セクハラ不倫」を週刊誌が報じ、県議会が不信任案を提出。僅差で否決されたが、その後の県議選で知事派の県議が相次いで落選。改選後の県議会で不信任案の可決が確実な情勢となり、木村氏は辞職に追い込まれた。