G7が「過度な為替の変動は経済に悪影響」との認識を声明で再確認
(ブルームバーグ): 主要7カ国(G7)は17日(現地時間)、米ワシントンで財務相・中央銀行総裁会議を開き、為替の過度な変動は経済に悪影響を与えるとしたコミットメントを共同声明で再確認した。急速な円安に直面する日本が、為替介入で自国通貨を防衛する「免罪符」となり得るとの見方も出ている。
共同声明では、「2017年5月の為替相場についてのコミットメントを再確認する」との一文が明記された。神田真人財務官は、「日本の主張を踏まえ、為替を含む過去のG7における政策対応に関するコミットメントが再確認されている」と説明。その上で、7年前の声明に明記された「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済および金融の安定に対して悪影響を与え得る」との認識が「肝となる」と語った。
神田財務官は「過度の変動や無秩序な動きがあった場合、経済に良くないので対応しなければならないことを確認することは必要だと考え、入れてもらった」と振り返った。ドル独歩高の評価については「市場に不測の影響を与える」とし、コメントを控えた。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げ開始時期の先延ばしを示唆したことを受け、円相場は16日に一時154円79銭と約34年ぶり安値を更新した。同日、先んじて開かれた日米韓3カ国会合でも、米国側が円安やウォン安を巡る懸念に留意する姿勢を示したことから、市場では介入への警戒感が一層高まっている。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは日米韓財務相会合などを通じて、介入をいつ実施しても障害はないとのコンセンサスが取れた状況だろうと指摘。コミットメントの範囲内で介入ができるという点で、昨年と同様に市場へのけん制としては「これ以上ないところまではできた」と語った。
神田財務官の発言後、 円は対ドルで一時153円台に上昇。日米韓財務相会合での為替協議に続くけん制を受け、為替介入への警戒感から円を買い戻す動きが強まった。