「Foorin」解散から3年 18歳になった楢原嵩琉が語る 「あの頃」と「これから」
●大きな転機となった鈴木福との共演
――19年には「第61回日本レコード大賞」を受賞するほか、その年の「NHK紅白歌合戦」にも出場されました。 実質3年間の活動で、自分自身の生活は明確に変わらなくても、自分を取り巻く環境みたいなものが大きく変わっていった感覚はありました。街を歩いていると、自分の歌が流れてくることもありますし、小学生から中学生になるタイミングだったので、とにかく目まぐるしかったです。 それまで、舞台をやっていても、お客さんと密に接することはなかったので、とても不思議な感覚でした。当時出ていたTV番組に関しては、今になってその凄さに気付かされている感じです。 ――20年以降は、コロナ禍になったことで活動の制約もあったかと思われます。 コロナ禍になった後、21年9月のグループ解散まで、ファンの方としっかり交流できるイベントができなかったことは悔しかったですね。僕たちがみなさんを元気にしなければいけないのに、いただいたファンレターに元気づけられたこともありました。今もファンレターをいただけることは嬉しいですし、何年経っても残る音楽の力って、凄いなぁと思っています。 ――「Foorin」の活動と同時に、「ドラえもん」のスネ夫役を演じられた「ソフトバンク 5G」のCMなど、俳優としての活動も増えていきます。 「Foorin」としての3年間で精神的に変化というか、成長していったと思うんです。「今後も、このお仕事をやっていくんだ」という気持ちになりました。その「ソフトバンク」のCMでは、のび太役の鈴木福くんと共演したんですが、僕の2歳年上とは思えないほど、とても落ち着いていて、しっかりされていたんです。そのときに、「もっと、ちゃんとしなきゃといけない」ということに気付かされました。これも大きな転機でした。
●新作映画では、テンションの高い特撮マニアに挑戦
――そんな楢原さんの最新出演作『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』では、鈴木梨央さん演じるヒロイン・朱莉と冒険の旅に出る同級生・卓也を演じられています。 コロナ禍ということもあり、シーンの一部を演じた映像資料を送るというオーディションでした。そのため、村瀬継蔵総監督たちに初めてお会いしたのは、衣装合わせのときでした。 特撮映画なので、目の前にいない怪獣などを想像しながらのグリーンバック前でのお芝居が多くて、とても難しかったですね。また、卓也は特撮マニアの役柄なので、自分自身が持っている「仮面ライダー」や「ウルトラマン」に登場する怪獣や怪人に対する想いに寄せながら演じていきました。 ――『ゴジラ』『大怪獣ガメラ』シリーズなどで怪獣造形の礎を築いた、怪獣造形界のレジェンドである村瀬継蔵総監督の印象は? 僕が言うのも、おこがましいのですが、村瀬さんがいるだけで現場が引き締まるというか、とにかく存在感が凄い。周りのスタッフさんからのリスペクトも感じますし、毎シーン毎シーン「よく頑張ったね」って、孫に語り掛けるように優しく言ってくださるんです。すべてにおいて肯定的な方なので、とても安心感がありました。 ――どのようなことを学んだ現場だったといえますか? ちょっとオーバーなくらい、あえてテンションを上げて卓也を演じたんです。そういう意味では、ミュージカルのときとは違う吹っ切れたお芝居をすることが勉強になりました。現場では一人で、ぴょんぴょんジャンプとかして、テンションを上げていたので、傍から見たら変な奴に見えたんじゃないか、と思いますが(笑)。