徳地でAI活用のデマンドバス実証実験開始【山口】
山口市は、徳地地域でAI(人工知能)を用いたデマンド型生活バスの実証実験を始めた。一定の区間と時間帯でタクシーのように利用できる。利便性の向上だけでなく希望の乗降地からAIが最適ルートを設定し、効率の良い配車で、運転士の負担軽減も見込める。 同地域の生活バスは、八坂地区の船路西、同東、羽高線と串・島地地区の西村、安養地線の計5路線が、平日か平日のうち1日だけ定時、定路で運行している。船路東、同西線と西村線では乗客無しでの運行率が8割を超えており、利用者増加を図るため、県が「やまぐちタクシーアプリ」を提供する配車アプリ開発の「レア」(東京都)と共に準備を進めてきた。 従来の5路線を防長交通のバス停があるやまぐちサッカー交流広場とロハス島地温泉を発着点に、八坂と串・島地地区の2エリアとして平日運行する。時間帯は、防長バスに接続できるよう設定。八坂地区では同広場行きが4便、同広場発の便が3便、串・島地地区では同温泉発着ともに4便が走り、通行地域内であれば自由に乗降できる。 利用者がチラシの2次元コードから予約ホームページにアクセスし、会員登録して締め切り時間までに希望日、人数や希望の乗降地を指定する。予約状況からAIが最適なルートを導く仕組み。利用者は高齢者が想定されるため、電話での申し込みにも対応。乗車賃は1人、1乗車200円で、9人乗りのワゴン車を使用する。 事業を委託された島地タクシーの則安聡一郎社長(41)は「過疎化の影響で少ない利用状況の改善と将来の運転士の高齢化に伴う減少を見据えた取り組み。高齢者がうまく利用できるか気になるが、電話でも受け付けるので、まずは利用して慣れてほしい」と話した。 実証期間は来年3月31日まで。市交通政策課は利用状況に応じ、区間や運行時間の見直しを図っていくという。