クレジットやオルタナ積み増し、金利上昇なら円債も検討=朝日生命・24年度下期運用計画
Mayu Sakoda [東京 24日 ロイター] - 朝日生命保険は2024年度下期の一般勘定資産運用計画で、引き続き円金利資産を中心とした運用方針の下、クレジットやオルタナティブ投資の残高を積み増す計画を示した。円債投資では、20年債利回りが2%を上回るような金利上昇局面で買い増しを検討する。外債は最近の為替相場の急激な変動に伴い、ヘッジ比率は下期も相場状況をみて機動的に対応する。 24日に開催した資産運用方針説明会で、内村伸明資産運用企画部長が明らかにした。 同社は昨年度から運用スタンスの中心を外債から円債にシフトし、24年度は円金利資産中心のポートフォリオを維持しつつ、クレジットやオルタナティブへの分散投資を通じリスクを抑制しつつ安定的な収益確保を基本としている。 クレジット投融資は24年度を通して900億円の積み増しを計画しているが、上期ですでに850億円増やした。国内外の社債を中心にESGテーマ型投融資なども積み増しており、下期も350億円増の見込み。 オルタナティブ投資はインフラファンド、プライベートデット・ファンドなどを中心に価格変動リスクが少ないものに取り組み、下期は100億円増加する。上期は微増だった。 国内債券は上期に200億円積み増した。下期は償還があるため残高としては400億円程度減少する見込み。 金利上昇局面では、超長期国債の買い入れを検討する。年限は今後決めるが、めどとしては「20年債の利回りが2.00%を超えてきたら、ヘッジ付き外債などと比較しても妙味があるので検討していく」(内村氏)という。 日銀は年度内にあと1回追加利上げを実施すると想定しており、「基本的には1月とみているが、為替動向次第では12月の可能性もあるので、身構えておきたい」(同)とした。 外債は残高圧縮を計画している。 上期は日銀の追加利上げ観測や米景気後退懸念を背景に円高局面が続いていたため、当初横ばいを見込んでいたヘッジ付き外債を1500億円増加、オープン外債を1400億円減少させ、全体としては100億円増えた。 下期は200億円程度の減少を見込んでいるが、ヘッジ比率は「相場動向次第」としている。 上期の株式投資は国内株式、外国株式ともに横ばいだった。下期は当初計画通り、国内株式を微増させる。株価は堅調な企業業績を背景に、内外ともに底堅く推移するとみている。不動産は上期は横ばいだったが、下期は計画通り売却に伴い微減を見込む。 ◎24年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。 下期 年度末 日本国債10年物利回り 0.70─1.30% 1.10% 米国債10年物利回り 3.20─4.50% 3.50% 国内株式(日経平均株価) 3万2000─4万2000円 3万9000円 外国株式(NYダウ) 3万5000─4万5000ドル 4万3000ドル ドル/円 135─155円 140円 ユーロ/円 148─170円 155円