早川隆久(早大)インタビュー 人生を変えた出会いと学習能力
MLBを経験し、NPB通算117勝の早大・小宮山悟監督(元ロッテほか)が「無双状態」と言うのだから、相当のレベルだ。8月開催の春季リーグ戦開幕カードで、自己最速を4キロ更新する155キロ。迎えた学生最後の今秋は3カードを終えて3勝無敗で、防御率0.34。コロナ禍から進化を遂げ、2020年のドラフトの顔となった主将に迫る。 取材・構成=岡本朋祐 写真=矢野寿明 155キロ左腕の周囲が大きく動いたのは10月15日だ。ロッテがスカウト会議で早川隆久の1位を公表。各球団には戦略があり、同26日のドラフト会議当日までには、争奪戦になる可能性は十分だ。 ──事実上、1位が決まりました。 早川 16時ころ、小宮山監督からLINEで連絡がありました。この日は午前中練習で、オンライン授業の合間でした。小学校時代は、マリンスタジアムの右翼スタンドでジャンプしている観客でしたので。公言していただいたことは光栄です。 ──ドラフト1位の評価でも、もう一歩先の「高み」があるそうですね。 早川 1年前のドラフトが終わった直後、コーチの徳武(徳武定祐、元中日ほか)さんから「お前は来年、(ドラフト1位入札の)競合で行け!」と。ルーズリーフに書いて、部屋の壁に貼って、常に意識してきました。チームを勝たせる投球をしながら「1位競合」の選手になれるよう、この1年間を通して考えてきたことです。 ──2016年10月20日、高卒でドラフト指名を受けた同級生投手へのライバル心が強いんですよね。 早川 今井(今井達也、作新学院高-西武)、藤平(藤平尚真、横浜高-楽天)、寺島(寺島成輝、履正社高-ヤクルト)は単独1位指名。4年後に変わった自分を見せるのが、ドラフトの見せ場である、と。16年のU-18代表でプレーした8投手のうち、7人(広島新庄高・堀瑞輝=日本ハム1位、花咲徳栄高・高橋昂也=広島2位、東海大市原望洋高・島孝明=ロッテ3位、東邦高・藤嶋健人=中日5位)がプロ入り。自分が違うルートから競合1位で行くことで、高校生にプロだけでなく、ほかの選択肢を与えることができるかな、と思っています。 ──考えが深いですね。 早川 今回、学生服で撮影していただきましたが、感慨深かったんです。この安部寮(早大野球部合宿所)に入寮した4年前
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週刊ベースボール