【速報】被告の中田浩司山健組組長は起訴内容を「すべてまちがっています」と全面否認 山口組系組員銃撃事件の初公判
5年前、神戸市で山口組系の組員が銃撃された事件で、当時、対立していた暴力団の組長の裁判員裁判が開かれ、組長は起訴内容を「すべてまちがっています」と否認しました。 起訴状によりますと、当時、神戸山口組傘下にあった山健組の組長、中田浩司被告は(65)は2019年8月、神戸市中央区で、対立していた山口組系弘道会の組員を拳銃で6発撃ち、そのうち5発を命中させ殺害しようとした殺人未遂などの罪に問われています。 8日の初公判で中田被告は「すべてまちがっています。私は犯人ではありません」と起訴内容を全面否認しました。 検察は冒頭陳述で「事件当日の昼に犯行現場とは別の場所の防犯カメラに映っている服装と、犯行場所の防犯カメラに映っている服装が同じである」など中田被告の犯人性を指摘。一方弁護側は「直接に証明する証拠がない」と主張しました。 この裁判では、傍聴者は荷物をロッカーに預けることが義務づけられ、法廷内に持ち込めるのは最低限の貴重品のみにするなど厳戒態勢が取られました。 判決は31日に言い渡される予定です。
■終わらぬ抗争
そもそもは2015年、井上邦雄山健組組長が山口組から離脱し、神戸山口組を結成したことに始まります。離脱をきっかけに山口組系の組員らによる、神戸山口組関係者に対する報復行為が始まり、それに対し神戸山口組も応戦します。 抗争激化の大きなきっかけとなったのは今回初公判を迎えた、2019年8月に起きた中田浩司被告の山口組組員襲撃事件です。この時、中田被告は神戸山口組の中核組織の山健組組長でしたが、山健組は元々「山健にあらずんば山口にあらず」とまで表現されたこともある、山口組の中核組織です。そんな離脱した元中核組織の、それも組長が自ら、いわゆる「ヒットマン」として行動を起こしたわけです。 中田被告の事件から2か月後の2019年10月、今度は山健組系組員2人が、週刊誌のカメラマンを装った山口組系組員に撃たれます。この順番でいけば、次は神戸山口組が応戦する番ですが、撃たれたのはまたしても神戸山口組幹部でした。ちなみにこの事件以降、暴力団関係の取材の際に報道陣が荷物チェックや金属探知機の検査を警察から受けることが多くなりました。
■警察幹部「返しの数が合わない」
当時、警察幹部は「返し(報復)の数が合わない。これは警戒が必要だ」と話していました。その結果、山口組と神戸山口組は抗争状態にあるとして2019年12月、特定抗争暴力団に指定され、2020年1月の官報告示をもって発効しました。 事件から5年が経ってようやく初公判となった中谷浩司被告の銃撃事件。しかし、警察は「まだ対立抗争中なので、変わらず警戒続けていく。いまだ抗争は終結したとはみていない」としています。