SUVの「フォード・マスタング」と「ヒョンデ・ツーソン」となぜか似てる見た目の2台が北米で人気! 売れる秘密はデザインにあり!?
マスタング マッハEが一気に普及
2024年秋に南カリフォルニア地域を訪れ、レンタカーを運転していて2023年よりはるかに見かけたのが、フォードのBEV(バッテリー電気自動車)となる「フォード・マスタング マッハE」だ。マッハEは2020年にアメリカで受注が開始された、クロスオーバーSUVタイプのBEVとなる。クロスオーバーSUVなのに「マスタング」と名乗ったことで、デビュー当時はかなり話題となったのを覚えている。 【画像】マスタング マッハEに似ている? ヒョンデ・ツーソンの画像を見る フォードはアメリカ国内においてラインアップする乗用車は、ICE(内燃機関)車となるフォード・マスタングのみ(アメリカではSUVやピックアップは乗用車ではない)で、残りはクロスオーバーSUVや伝統的なアメリカンSUV、そしてピックアップトラックとなっている。 ラインアップされるSUVは、マッハE以外はエクスプローラーやエクスペディションといった伝統的なアメリカンSUVとなっており、独自の存在感を示しているが、クロスオーバーSUVとなると、これもフォードらしいともいえるのだがあまり華がなく、地味で質実剛健といったモデルが多い。 マッハEはデビューして数年経っているのだが、筆者の経験では、フォード本社のあるミシガン州ディアボーン市周辺ではよく見かけた(フォード関係者などが乗っていると思われる)が、一方の南カリフォルニアでは、いままではあまり見かけなかったので、今回よく見かけるようになったことに少々驚いてしまった。 ある地元ディーラーのウェブサイトをみると、派手な値引きは行っていないようにも見えたが、テスラ車からの乗り換えについて手厚い特典が用意されており、これが効果を発揮しているようである。
アメリカで人気のヒョンデ・ツーソンとは
マスタングと名乗ることもあり、リヤコンビランプはマスタング伝統の3連ランプを採用している。フリーウェイを運転していても、その独特なテールランプ形状を見て「マッハEだな」と確認していたのだが、じつはこのマッハEに似たモデルが存在している(あくまで筆者の感想)。 けっしてパクっているわけではないのだが、そのマッハEと間違えてしまうモデルがヒョンデ・ツーソンである。 コンパクト・クロスオーバーSUVにカテゴリーされるツーソンは、2004年に初代がデビューし、現行モデルは4代目で2020年にデビューしている。ボディサイズをみるとトヨタRAV4クラスといえる。 筆者としても、2020年にデビューしているモデルなのに、なぜ2024年になって目立つように見えたのか、アメリカ国内でのツーソンの販売台数をみると、2023暦年締め(1月から12月)での年間販売台数は20万9624台となり、前年比プラス20%となっていた、2021暦年での年間販売台数比ではプラス約40%と急速に販売台数を伸ばしていた。 ツーソンは、2.5リッターガソリンエンジンのほか、1.6リッターターボベースのハイブリッド、さらには1.6リッターターボベースのプラグインハイブリッド仕様までラインアップしている。2023年にフェイスリフトを実施しているが、それまでとリヤコンビランプは大きく変わっていないので、現行モデルが順調に販売台数を伸ばし、街なかでも多く見かけるようになり、今回目立つようになったといっていいだろう。 マッハEはBEVだし、ツーソンがマッハEを見たあと現行モデルをリリースしたわけでもない。なんとなくトレンドを追いかけていたら似たようなイメージのようになってしまったというのはよくあることであるし、あくまで筆者の私見で「マッハEとツーソンのリヤコンビランプは似ているなあ」と思っていることだけなのかもしれない。 デザインは内外装ともに個々の好みの問題なので良し悪しを語るつもりはないが、ツーソンの内装と、ツーソンがライバルとして意識している日本車(RAV4やホンダCR-Vなど)と比べると、より先進的なものとなっているように筆者の目には映った。アメリカでは販売主力車種となるので、テレビコマーシャルもガンガン放映されていた。 販売台数の比較では、RAV4の半分程度となっているものの、存在感あるエクステリアと先進的な内装で日本車を追いかけ、それを消費者の一部が受け入れていることで、前年比プラス20%という販売台数になっているのかもしれない(値引きなど販売特典も影響していることは否定できないが)。
小林敦志