熱中症による高齢の死亡者数、2023年は90年代の3倍近くに:医学誌ランセット
■気候変動による労働生産性への悪影響も明らかに
異常気象や気候変動は労働生産性にも影響を及ぼしている。 2023年は、暑熱への曝露により、世界でのべ5120億時間の労働可能時間が失われた。このことによる経済損失は、8350億ドル(約128兆円)に上ると報告書は試算する。 地球環境に配慮した医療を提唱する医師たちが発足した「みどりのドクターズ」の佐々木隆史代表理事は、最新報告書の内容を受け、「科学者の想定を上回るスピードで気候変動の被害が広がっている」とオルタナに語る。 「日本では2023年、熱波によって、働ける時間がのべ22億時間縮小した。これは前年から6億時間増えた。化石燃料を中心とする大気汚染で年間8000人が亡くなった」(佐々木代表理事) 「報告書は、このような状況下でも十分な対策が打てていない現状に対し、ヘルスケア業界の従事者が市民や政策立案者を巻き込んで行動することが緊急に必要だと述べている」(同) 「先の衆議院選挙での国民の関心事は、経済対策・社会保障対策が上位に入り、環境対策は下位だった。しかし気候変動対策は、もはや経済対策であり社会保障対策でもある」(同) この続きはオルタナ・オンラインでお読みください。 ■食糧不安や感染症の蔓延も ■「プラネタリーヘルスの時代」に