名城大1年生右腕・天野京介、8回から延長も投げ抜き最優秀選手賞に 「タイブレークで投げたのは真っすぐだけ」「一番自信のある球で勝負」
◇4日 東海地区・北陸・愛知3連盟大学野球王座決定戦決勝 名城大5―3中部大(愛知・パロマ瑞穂)=延長11回タイブレーク 名城大(愛知1位)が中部大(愛知2位)との延長11回タイブレークにもつれる最終決戦を制し、2年ぶり9度目の明治神宮大会(20日開幕・神宮)出場を決めた。8回に5番手で登板したルーキーの天野京介投手(1年・愛産大工)が延長戦も投げ抜いて、最優秀選手賞に輝いた。神宮での初戦は21日、環太平洋大(中国・四国3連盟代表)と対戦する。 最終決戦にふさわしい死闘だった。試合開始からちょうど3時間30分。最後の打者が打ち上げた打球を一塁手がつかんだ瞬間、名城大の天野がマウンド上で両手をつきあげた。満面の笑みを浮かべたナインが、三塁側ベンチから一斉に駆け出した。 仲間からねぎらいの言葉をかけられた天野は思わず涙。「負けたら大好きな4年生が引退すると思ったらずっと苦しくて。本当に勝てて良かった」。喜び以上に安堵(あんど)が大きかった。 互いにピンチを招きながらも、9回までは両チーム無得点の譲らぬ試合だった。安江均監督から「度胸があって、しっかりゾーンに投げられる。最後までいくつもりだった」と絶大な信頼を置かれる天野は8回からマウンドへ。 タイブレークに突入した延長10回は、先頭で中前適時打を放ち攻撃でも貢献。味方のミスも絡んで直後に追いつかれたが、11回は佐藤の2点適時打で得た援護点をきっちり守り切った。「タイブレークで投げたのは真っすぐだけ。一番自信のあるボールで勝負できた」と中部大打線に気持ちでぶつかった。 チームは昨秋、リーグ優勝しながらも神宮の切符が懸かった大一番で敗れて出場を逃した。それに今年は、リーグ戦で春は2敗、秋は1勝2敗といずれも勝ち点を落としていた難敵に粘り勝ち。価値ある1勝を手にして全国の舞台に乗り込む。「もちろん頂点を目指す。4年生を最後まで引退させたくないので」と天野。チーム愛あふれる頼もしいルーキーが、神宮でも名城大ブルペンを支える。
中日スポーツ