自転車通学、福井県内高校生のヘルメット着用を必須に 県教委方針、2026年度から導入
福井県教委は11月22日、全25県立高や特別支援学校高等部などで自転車通学を許可する際、ヘルメット着用を必須条件とする方針を決めた。現在は努力義務となっている。県内高校生の着用率が低迷している現状を改善し、悲惨な事故を防止する狙い。2026年度から導入する。 23年までの過去5年間、県内の自転車事故で死亡した17人が損傷した体の主な部位は、頭部が8人で5割近くを占める。警察庁の統計では、ヘルメットを着用せずに頭部を損傷した場合、死亡する確率は着用時に比べ2・4倍に跳ね上がるため、着用率の向上は大きな課題となっている。 ヘルメット着用は、昨年4月の改正道交法施行で全年齢で努力義務化された。県教委が同年6月、全ての県立高・特別支援学校の通学時の状況を調査したところ、着用率は2・1%にとどまった。県民全体では6・8%だった。 今年4月には全ての県立高・特別支援学校で自転車通学の許可条件に「ヘルメット着用に努める」と明記したが、11月の調査では着用率は3・4%で、県民全体の11・0%と比較しても伸び悩んでいることが明らかになった。 県教委は定例教育委員会でヘルメット着用を必須条件とする方針を示し「高校生の命の安全を最優先に進める」と説明した。来年度は▽生徒、保護者への周知▽着用に向けた生徒の自発的な取り組みを促す期間―と位置づけ、26年度から「着用の徹底を打ち出していく」とした。 藤丸伸和教育長は「他県では高校生の自転車事故をきっかけに、着用を徹底するようになったという事例を聞いている。何かあってからでは遅いという危機意識のもと、取り組みを進めていきたい」と話した。
福井新聞社