「清原さんの収録で誰かの携帯が鳴って…」人気野球YouTubeの仕掛け人が語る、一番緊張した出来事
もっと世界へ進出していきたい
担当する各チャンネルは年々登録者が増え、今や日本のプロ野球ファンに欠かせないコンテンツとなっている。傍から見れば順風満帆に見えるが、K氏は現状に全く満足していない。 「まだまだやれることはたくさんありますし、視聴者のニーズには常に敏感でなければいけません。動画へのコメントやX(旧Twitter)に寄せられる声はほとんど見ています。それが企画に反映される時もありますしね。トレンドを追わずに『俺はこう思っているんだ』と一方的に主張しても誰も見ないじゃないですか。 それと、最近はチャンネルの撮影で海外に行くこともあるのですが、もっと世界へ進出していきたいです。大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)のおかげで日本人のプロ野球選手の価値が上がっていますよね。うちには、日本の中でもトップの野球解説者の方々のチャンネルがあるので、それをアメリカをはじめ、世界の方々にわかりやすく響く形にして発信していければいいなと。外国人の視聴者も増やしていきたいですね」
「安定した生活」が送れる保障はないが…
収入が安定した教員(公務員)を20代半ばで辞め、YouTubeの世界へ飛び込んだK氏。日々の努力が実を結び、今では教員時代以上の収入をと経験を得ているようだ。最後に、今の仕事で悩んでいる社会人や就職先で悩んでいる学生たちに伝えたいことがあるという。 「普通に考えれば、20代半ばで教員を辞めて全く違う仕事をするって頭がおかしい。でも、僕は好きな野球に関わることがしたかった。教員時代と違って末永く安定した生活が送れる保障はありませんし、今でも『いつまでできるか分からんやん?』と冷やかしてくるドリームキラーはいます。 どんな動画を撮って、どう生きていくかを毎日考えなければいけませんし、何が正解かはわかりませんよ。でも、好きなことを思いっきりやっていた方がいいじゃないですか。好きなことに夢中になって挑戦している時は愚痴なんて出てきませんし、そうしていると自分の周りにポジティブな人が集まってきて、よりいっそう前進できるんです。こういう仕事もあるんだっていうことを、一人でも多くの人に胸を張って伝えたいですね」 『稼ぎたい』というよりも、『好きなことに夢中になり続けた』結果、成功している人間は多い。好きな野球をただひたすらに追求するK氏の生きざまを知り、そのことを改めて痛感した。 【浜田哲男】 千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。X(旧Twitter):@buhinton
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