ラファ侵攻でも将来の反攻の火種残る-米国務長官がイスラエルに警告
(ブルームバーグ): ブリンケン米国務長官は12日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部ラファの地上侵攻を行っても、同地域にはまだ何千人もの武装した過激派が残るだろうと述べ、同国は戦後のガザでイスラム組織ハマスの反攻をあおるリスクがあると指摘した。
イスラエルのガザ攻撃に懸念を強めてきた米国として、新たに警告を発した形となる。ブリンケン長官はイスラエルの取り組みについて、ラファ侵攻の場合に民間人を守るための「信頼できる」計画も戦後プランも見られないとする米政権の認識を示した。
長官はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、「イスラエルは現時点で、ガザに侵攻して大規模な攻撃を行っても、武装したハマスの勢力が何千人も残る方向にある」と発言。同国はその結果、「反攻の火種が残る」か混乱や無政府状態、ハマスが空白を埋める事態に見舞われる可能性があると語った。
ハマスが昨年10月7日にイスラエル南部を攻撃し、紛争が勃発した当時からバイデン政権はイスラエルに戦後の戦略を強く求めてきた。
ブリンケン長官はCBSの番組「フェイス・ザ・ネーション」で、「安全保障や統治、再建のための信頼できるプラン策定に米国は何週間も取り組んできた」と述べた上で、「イスラエルからはこの点で動きが見られない」と話した。
イスラエルによるガザ攻撃は、11月の米大統領選で再選を目指すバイデン大統領にとって支持率の面で頭痛の種になっているほか、民主党内で立場の相違を招いている。
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原題:Blinken Warns Israel It Risks Hamas Insurgency in Postwar Gaza(抜粋)
--取材協力:Ian Fisher、Tony Czuczka.
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Alicia Diaz