そういえば巨人に「オドーア」っていたよな…2024年活躍を期待されるも忘れ去られてしまった“助っ人”外国人を振り返る
2024年シーズンは、DeNA・オースティンが打率.316で首位打者に輝き、チームの26年ぶり日本一に貢献したのをはじめ、中日・マルティネスが最多セーブ(43セーブ)、ソフトバンク・モイネロが最優秀防御率(1.88)のタイトルを獲得するなど、助っ人選手の活躍ぶりが目立った。その一方で、過去にはファンの期待にまったく応えられず、シーズンが終わるころには、すっかり忘れ去られた助っ人もいた。【久保田龍雄/ライター】 【写真を見る】来季の日本球界復帰の噂もある“元サイ・ヤング賞右腕” ***
2軍降格を拒否し電撃退団!
メジャー通算178本塁打の実績をひっさげ、巨人入りしたオドーアもその一人である。 レンジャーズ時代の2016年に33本塁打、17年と19年にも30本塁打を記録した左の長距離砲は、4年ぶりV奪回を目指す巨人が今年1月、4番・岡本和真の前後を打てる強打者と見込んで獲得し、年俸2億円(推定)で契約。 メジャー時代は喧嘩っ早いことから、“狂犬”の異名をとったトラブルメーカーも、2月17日の入団会見では、トレードマークの長い顎髭を剃った“ジェントルマン”の姿で現れ、「一番大事なのはチームに貢献すること。日本一を目指すだけです」と優等生のコメントを口にした。 オドーアの加入により、前年リーグトップの164本塁打を記録した打線のさらなる破壊力アップが期待されたが、懸念材料もあった。メジャー通算打率は.230、30本塁打を放った17年と19年も打率2割ちょっとと、確実性に欠ける点だった。 はたして、その不安は的中する。オープン戦12試合で34打数6安打0打点9三振の打率.176と低迷。しかも、6安打のうち3本が内野安打と大砲の片鱗も感じられなかった。 見かねた阿部慎之助監督が2軍での再調整を命じると、オドーアは「受け入れられない」と2軍降格を拒否し、「米国に帰りたい」と申し出たことから、開幕3日前の3月26日に電撃退団となった。 3月29日の開幕戦、阪神戦では、オドーアの代役として3番ライトに起用された梶谷隆幸がチーム1号の2ランを放ち、ピンチを救う超美技と攻守に大活躍したことから、Xで「オドーア」がトレンド入りする珍事に。 その後、4月10日、2021年に1年間在籍したヤンキースとマイナー契約したことが報じられると、「日本の2軍はダメなのにマイナーはいいんだね」「勝手にどうぞ」などのコメントが寄せられたが、9月29日、巨人が4年ぶりVを決めたときには、当然ながら、オドーアの「オ」の字も出なかった。