南アフリカで、政府による兵糧攻め作戦が物議を醸しています。 広大な敷地に掘られた大きな穴。 近くで見ると、はしごらしきものはボロボロです。 ここは、南アフリカ北西部にある使われなくなった金の採掘場で、AP通信によると、この地下に数百人から数千人が取り残されているとみられています。 地下に取り残されているのは、違法採掘者。 世界有数の金の産出国である南アフリカでは、廃鉱に近隣の国からの移民が集まり違法採掘が横行。廃坑から違法で掘り出された鉱物が、犯罪組織の資金源になっていることが長年、問題となっています。 こうしたことを受け、政府は「違法採掘者をあぶり出す」とし、違法採掘者を取り締まるために坑道の封鎖を強化。 約1カ月にわたり、地下への水や食料の供給を遮断する兵糧攻めを行っているのです。 狙いは、耐えられなくなった違法採掘者が地上に出てきたところを逮捕すること。 国家警察報道官: 警察官、兵士、政府関係者が廃鉱に降りることはないという決定を下しました。 これまでに、1000人以上の違法採掘者が地上に出てきたということです。 一方、この作戦に対し「政府は少なくとも虐殺する意図がある」と批判の声も上がっています。 地元のメディアなどによると、地下には数百人から数千人がいる可能性があり、これまでに死者も出ています。 また、地上に出てきた人の中には、歯磨き粉などを食べて生き延びていたという人もいました。 鉱山の入り口付近では、地下にいる人たちの家族らが心配する姿が見られました。 違法採掘者への兵糧攻め、いつまで続くのか。 南アフリカのラマポーザ大統領は先日、声明で「命を危険にさらしてはいけない」と警察に呼びかけ、早期解決を求めています。