多頭飼育崩壊の現場から保護された犬→16歳になった今、穏やかに過ごすかけがえのない時間
多頭飼育崩壊の現場から保護された犬
BCFさんが東京都で暮らし始めてから、ペットを迎え入れたいという思いが日に日に強まっていました。そんなある日、「ぺっとのおうち」の譲渡サイトでゼンちゃんと出会ったのは、2015年12月上旬のことでした。半年近く毎日サイトをチェックしていたBCFさんでしたが、ゼンちゃんを見た瞬間、まるで運命に引き寄せられたかのように「この子だ」と直感したのです。 【写真】今はもう目が見えなくなった犬さん ゼンちゃんは埼玉県内で起こった多頭飼育崩壊現場からレスキューされた犬で、預かりボランティアの方々の尽力で保護された1匹でした。その日、すぐに埼玉HappyPawsという保護団体に連絡を入れ、翌日にはゼンちゃんとの面会が実現。ゼンちゃんを初めて見た瞬間、静かに訴えかけてくる瞳にBCFさんの心は強く揺さぶられました。 「とにかく『この子だ』という気持ちが湧き上がってきました」 ゼンちゃんを家族に迎える準備は急ピッチで進み、1週間後、ついにゼンちゃんは新しい家へとやってきました。
ゼンちゃんとの新生活、変化とともに深まる絆
お迎え初日、ゼンちゃんは少し緊張している様子で、テーブルの下にじっと隠れていました。しかし、安心できる環境と優しい声に包まれて、わずか半日後にはBCFさんの足元で眠り始めたのです。その瞬間、BCFさんはゼンちゃんとの絆がしっかりと結ばれたことを確信しました。 「ゼンちゃん」という名前は預かりボランティアの方が名付けたものですが、善良な性格を反映するかのようにそのまま受け入れました。ゼンちゃんの性格はまさにその名の通り、おとなしく、穏やかで、吠え癖すらも訓練によってすぐに改善されました。特に野菜や果物が好きなゼンちゃんは、愛らしくお利口な姿で家族に癒しを届けてくれます。
シニア犬ゼンちゃんと過ごす大切な時間
現在16歳のゼンちゃんは、目が見えなくなり、1日のほとんどを居間で寝て過ごしています。それでも、BCFさんはゼンちゃんが快適に過ごせるように、家具の角を丸くし、窓際には長いカーテンを掛けるなど、細やかな配慮を欠かしません。ゼンちゃんが安全に家の中を歩き回れるよう、すべての家具の配置が工夫されているのです。 以前はアトリエの入口で、BCFさんがアレンジメントを作成している様子を静かに見守っていたゼンちゃん。今では、その姿が見られなくなりましたが、居間で静かに眠るゼンちゃんの存在は、家族にとってかけがえのないものであり続けています。BCFさんは「ゼンちゃんがいることで、日々の言葉遣いや生活の質を見直すようになりました。ゼンちゃんには、穏やかで優しい環境を提供したい」という思いで、愛情を持って接しています。 ゼンちゃんとの生活は、BCFさんにとって単なるペットとの暮らし以上のものです。ゼンちゃんがいるリビングは常に整理整頓され、穏やかで落ち着いた空気が流れています。その存在は、家族に深い癒しを与え、日々の生活を豊かにしてくれています。 「ハイシニアになったゼンは一日20時間くらい寝ていますが、ゼンちゃんと過ごす時間は、私にとってとても大切です。これからもゼンちゃんが安心して過ごせるよう、全力でサポートしていきたいです」 (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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