テレグラムにTONベースの経済が根付き始めた：TON財団

トンコイン（TON）をベースとした経済がメッセージングアプリのテレグラム（Telegram）に根付き始めており、その結果TONが暗号資産（仮想通貨）市場をアウトパフォームしていると、TON財団の投資ディレクターであるジャスティン・ヒョン（Justin Hyun）氏は語った。 CoinDeskのデータによると、ビットコイン（BTC）が11％下落し、広範な市場を追うCoinDesk 20 Index（CD20）が16％下落したのに対し、TONは今月15％上昇し、7ドル（約1050円、1ドル150円換算）超の史上最高値を記録した。コイングラス（CoinGlass）のデータによると、TONに連動する永久先物の建玉は同期間に17％以上増加し、1億6000万ドル（約240億円）に達した。一時、建玉は2億ドルを超えていた。価格上昇に伴う建玉の増加は、新たな資金の流入を反映しており、上昇トレンドを裏付ける。 トンコインは、TONブロックチェーンとして知られるレイヤー1ネットワーク「The Open Network（オープンネットワーク：TON）」のネイティブトークンだ。8億人のユーザーを抱えるテレグラムは2月、チャンネルオーナー向けに支払いがTONで行われる広告収益分配システムを導入した。テレグラムチャンネルの総ビュー数は月に1兆を超え、1000人以上の登録者がいる公開チャンネルのオーナーは、チャンネル内に表示される広告から発生する収益の50％を受け取ることができる。 「テレグラムが立ち上げた広告プラットフォームでは、トンコインでのみ支払いを受け付けており、Web3の原則に沿って収益の50％をチャンネルオーナーに還元している」とヒョン氏はメールインタビューで述べた。 「これによりチャンネルオーナーは登録者にトンコインを配布することができ、TONエコシステムの認知度はさらに高まっていくだろう。やがてトンコインの供給源がテレグラムの優秀なクリエイターへと分散化されていく」 先週TON財団は、香港で認可された暗号取引所ハッシュキー（HashKey）を子会社に持つハッシュキー・グループ（HashKey Group）と提携し、アジア太平洋地域のテレグラムウォレットユーザー向けに、法定通貨とデジタル資産を簡単かつシームレスに変換するための取り組みを開始した。 さらにヒョン氏は、4月1日に発表されたオープンリーグ（Open League）プログラムは、「前例のない数」のユーザーをオンチェーンに導いていると付け加えた。同プログラムは、エコシステム発展へのユーザー参加を促す報酬戦略だ。 オープンリーグプログラムの下、TON財団は1億8800万ドル（約282億円）相当の3000万TONを、クエスト、エアドロップ、TONの分散型取引所の流動性プールを通じてコミュニティメンバーに配布していく。 「何百万人ものユーザーを魅了する消費者向けアプリケーションを構築するために何が必要かを理解している開発者に焦点を当てるこの戦略は、暗号資産の普及の鍵となるだろう。TONは、Web3技術の普及にむけた唯一の希望だ。アップルのMacがパーソナルコンピューターにもたらした変化を、TONはWeb3技術にもたらすだろう。すべての家庭にコンピュータを届ける代わりに、私たちはすべての人々に暗号資産を届ける」とヒョン氏は語った。 オープンリーグプログラムは、数百万人のTelegramユーザーをオンチェーン化させることで、TONを消費者向け市場の拠点として確立し、TONベースのプロジェクトの自己強化型フライホイール（ビジネスを成長させ続けるサイクル）を作り出すことを目的としている。同プログラムのパイロットシーズンでは、1日のアクティブウォレット数が47％増加し、TONエコシステムに流通する暗号資産のドル建ての価値が244％増加した。 ｜翻訳・編集：行武 温｜画像：Shutterstock｜原文：TON-Based Economy Starting to Take Root in Telegram, TON Foundation Says