「結婚は?」「彼女は?」 お盆休みの帰省が憂鬱…帰りたくない人々が抱えるストレス、都市と地方の分断とは 専門家「帰省される側がもっと受け入れないといけない」
■“地域ならでは”どこまで許容できる?専門家「地方だから仕方ないと言っていられる状況はもう過ぎた」
帰省を敬遠する要因に「田舎の価値観が嫌だ」といった声もある。たとえばかつて、妻が同じ食卓に座ったことを、九州出身である夫の父親が批判したという投稿で話題になったのが「さす九=さすが九州」だ。九州出身男性が持つ価値観に対する様々な声が上がることに、福岡出身のカンニング竹山は「自分が子どものころは、座っているのは男だけで、女の人はみんな台所で料理。『お茶持って来い』みたいなものはあったが、今ではだいぶ少なくなった」と話す。一方で、この「さす九」をテーマにした番組が2年前くらいにあり、収録後の打ち上げで「スタッフや共演者も含めて飲みに行ったら、タレントさんや制作スタッフの女性が常にお酒を注いでいた。『そんなの、やらなくていい』と言ったら『やらなきゃ落ち着かない。こっちの方が落ち着く』と。それを聞いた時に、言葉に方言があるように、地域で風習とか考え方がいろいろあるんだと感じた」と振り返った。 地域差について鈴木氏は「すごく大きいと思う。地方によっては本当に根強くて、特に女性にとってはものすごくハードルが高くストレスを抱えて帰ってくる家庭もたくさんあると思う」と語ると、「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「九州の女性が給仕をしなければならないというのも、それが文化でそれが当たり前だと思っている人たちが多数派だと、1人の行動では変えられない。ただ、たとえば若い人から『私はやらない』という人たちが出て、次の世代もやらないというのが増えていけば、最近の親戚付き合いは『若い子が来ないからつまらない』となり、そろそろ平等にした方がいいのではという文化になるのでは」と提案した。 この提案についても鈴木氏は「東京あるいは都市とそれ以外の地方との距離がどんどん広がっている。結局、一部の都市の人たちが稼いだお金をひたすらそれ以外に仕送りしているみたいな構造が今でも強く、さらに助長されていくと、『もらうだけの人』『送るだけの人』と完全に分断されてしまう。日本という国が分断されてしまうのはすごくもったいない。帰省される側、受け入れる側がもっと変わっていかないと、人がなかなか帰ってこなくなる。『これは文化です。仕方ないんです』と言っていられる状況はもう過ぎた」と、帰省がなくなることで日本全体が分断に陥る危険性を説いていた。 (『ABEMA Prime』より)