「結婚は?」「彼女は?」 お盆休みの帰省が憂鬱…帰りたくない人々が抱えるストレス、都市と地方の分断とは 専門家「帰省される側がもっと受け入れないといけない」
毎年恒例になっているお盆の帰省ラッシュ。家族や親戚と会い、先祖の墓にも手を合わせてゆっくり過ごすというイメージも強い中「帰省が苦痛・憂鬱」という声も、珍しくない。ネット上にも「親や親戚が集まる雰囲気が嫌い」「夫の家族と価値観が違いすぎて会うのが憂鬱」といった投稿も見られている。帰省する人のストレスは今、どんなものがあるのか。その上で、なおも帰省するメリットはあるのか。『ABEMA Prime』では実際に親戚の言葉をきっかけに10年以上、帰省できなくなった当事者を中心に議論した。 【映像】親戚付き合い「ここが嫌」ランキング
■親戚の一言をきっかけに10年以上帰省せず「劣等感みたいなものが生まれた」
久々に再会し、近況を報告しあうことが多い帰省だが、ストレスを感じる声は少なくない。SNSで見られるもの例としては「独身なら『結婚は?』結婚しても『子どもは?』1人産んでも『2人目は?』…質問攻めしんどい」「夫の実家に帰省 新幹線は混むし気を遣うしやることは増えるし…まったく休まらん」などがある。こうしたことをきっかけに、帰省しなくなってしまうケースもある。現在、関東の実家に両親と暮らすY助さんもその一人だ。10年ほど前まではお盆などのタイミングで母方の祖父母宅(北陸地方)に帰省していたが、従兄弟から「なんでお前結婚しないのとか、お前いくつになったのとか、彼女作らないのかとか言われて、プレッシャーというか劣等感みたいなものが生まれた」という。3人きょうだいで姉、弟が先に結婚。「堂々とできる立場になったら帰りたいが…。自分はちょっと敏感なのか、周りが僕に対して独身でいること、一人者で実家暮らしをしていることに気を遣っている空気がすごく伝わってくる」ことから、帰省しなくなってしまい、祖父母の葬儀にも出なかった。
■混雑する中、遠方の田舎に帰省することに意味がある?
お互い気を使うような人間関係であっても、やはり帰省はすべきなのか。神戸学院大学准教授・鈴木洋仁氏は、普段会わない人と苦労しながらでも会うことに価値があるという。帰省は「面倒くさいからこそ、あえて帰るプレイのような形。東京などの快適な生活がいかに面倒くさいことを排除しているかを感じられる。あえてドロドロした面倒くさい人間関係の中に身を置くことで、普段の生活がいかに尊いものかがわかる」と主張。帰省時に起こる混雑についても「わざわざ、その激混みのところを乗り越えて、本当は休みのはずなのに全然休みじゃなくて疲れて帰ってくるみたいなところも含めてのもの。実家の鬱陶しさまで認識する」ことが、日々の生活の快適さを再認識できるきっかけになると述べた。