ウォール街の週5日出勤ルール、FINRAのせいでないと幹部が一蹴
(ブルームバーグ): ウォール街の金融機関の管理職らは、規制変更のため在宅勤務の日々が間もなく終わると従業員に通知している。だが、米金融取引業規制機構(FINRA)の幹部は「われわれのせいにするのはやめてくれ」と率直なメッセージを発した。
FINRAの会員対応・教育責任者、ケイト・トチロウスキー氏は「登録者に週5日のオフィス勤務を義務付ける規則はない」とコメント。今後数週間で施行されるFINRAの規則変更は、職場の柔軟性を維持するための措置だと強調した。
バークレイズなどより多くの金融機関が、週5日出勤の義務付けを検討中と報道され、従業員との会話でFINRAのせいにする管理職も一部いることについて、トチロウスキー氏は22日のインタビューで、「FINRAのルールは実際には、会社の柔軟性を低下させるのではなく高めるものであり、登録者の在宅勤務を可能にする」と述べた。
バークレイズ、週5日出勤を検討-FINRA監督業務のスタッフ対象
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった当時、多数の業界関係者がリモート勤務にシフトしたことから、金融規制当局はブローカーやトレーダーなどのスタッフの監視ルールを緩めた。ここにきてFINRAはこうした緩和措置を終了し、在宅勤務場所をモニターする制度を導入する準備を進めている。
今回の変更に伴い、金融機関は一部の在宅勤務地を規制当局の記録に掲載するなど、いくつかのステップを踏む必要が生じる。企業側はこうした種々の手間をかけるのは割に合わないと判断し、規則変更の影響を受ける従業員にフル出社を求めている可能性がある。
FINRAはリモート勤務を容認しており、全スタッフに日々の出勤を一律に義務付けているわけではない。トチロウスキー氏は「時間のかかる作業であることは理解している」と述べた上で、「しかし、規制対象企業がスタッフに在宅勤務をさせ続けたいのであれば、規則を順守する限り可能だ」と話した。