甲子園で練習を見守る岡田監督。いよいよCSが始まる

甲子園では阪神・岡田監督とDeNA・三浦監督が、エスコンフィールドでは日本ハム・新庄監督とロッテ・吉井監督が、顔を合わせてクライマックスシリーズ前日会見。いよいよ決戦ムードが高まってきた。 「下克上」という3文字が新聞でも、テレビでも、ネット上でも氾濫している。2年契約により去り行く岡田監督が、就任2年で2度とも日本一に輝けば、こんな強烈なドラマはない。一方、ファンを楽しませ続ける新庄監督が勝ち上がれば、日本中が盛り上がりそう。岡田VS新庄の対決は、虎党的にもワクワク指数MAXだ。 ただ、冷静に勝ち残っている6チームを比較すると、やはりソフトバンクの戦力は抜けている…と感じる。新人監督最多の91勝をマークした小久保采配は余裕すら感じる。常に報道陣の聞きたいことを察知して、端的に答える姿も隙がない。 弱点はないんだろうか？と考えていたら、ある人物を思い出した。小久保裕紀をビビらせた男が、わがサンスポにいることを。 「覚えてますよ、瀬戸でしょ？」 和歌山・星林高1年の小久保選手は仲間とささやき合ったという。 「今度、1学年下に瀬戸というすごいヤツが入ってくるらしい」 本当にすごかったのか、レース部次長・瀬戸聡に聞いてみると… 「はい、大分県の中学球界ではアーチを量産して県内に名前がとどろき渡っていました」 父の仕事の関係で、3年の途中で和歌山に転校。進路相談の先生がアドバイスしてくれた。 「甲子園に行きたいのなら、星林に行け。1学年上に小久保というすごいヤツがいる。他のメンバーもそろっている。小久保に甲子園に連れて行ってもらえ」 かくして、小久保監督を一瞬、ほんの一瞬だけ、ビビらせたことなど夢にも知らない瀬戸は星林に進学。 「瀬戸はねえ、瀬戸やったなぁ」 サンスポの歴代タカ番は、選手時代の小久保から苦笑いしつつの瀬戸評を耳にしている。 野球どころの和歌山はレベルが高い。結局、高校球児・小久保は毎年優勝候補に挙げられながら、あと一歩、甲子園に届かなかった。 だが、「甲子園に行くためのメニュー」を後輩に残した。すさまじい練習量。これを実行したのが1学年下の〝瀬戸世代〟。見事に甲子園出場を果たすのだ。1990年夏のこと。小久保をビビらせた（？）瀬戸はどんどん打順を下げていき、3年夏は「8番・一塁」で辛うじてレギュラーとして甲子園の土を踏み、1勝を挙げた。