職場にいる「メンタルが強靭な人」と「メンタルを崩しがちな人」の決定的な違いとは
● メンタルが強靭な人の特徴 対して、メンタルが強靭な人は必要以上に完璧を追い求めることはしません。もちろん、毎度全力で稽古をして、全力で舞台に立ちますが、披露した芸が完璧でなくとも笑いが取れればいいと考えるのです。 ときには悔しい思いもしているかもしれませんが、次も仕事がくればそれで十分ですし、次の仕事で取り返せばいいのです。 私は日頃、100点満点の仕事よりも70~80点のアベレージを出し続けなさいと若手に指導しています。この理由は明確で、100点満点は狙って毎回出せるものではないからです。狙って100点の仕事ができるなら誰も苦労しません。 ですから、100点を狙ってメンタルを崩してしまうよりは、70~80点を取り続けるほうがいいのです。こういった言い方をすると、70~80点を取るのは簡単なように思われがちですが、100点を取るのと同じくらいの努力が必要なのは言うまでもありません。 また、70~80点を取り続けることのメリットはもう1つあります。それは、仕事が続くことです。毎回安定したパフォーマンスを発揮できるわけですから、依頼側も安心して仕事をお願いすることができます。100点を狙って空振りをし、メンタルを崩してしまう可能性がある人に仕事をお願いするより何倍もリスクが低いでしょう。 こういった考え方をメンタルが強靭な人は常に持っています。当然、気持ちや調子の波に左右されることは少なくなるでしょうし、あらゆる場所で実力を発揮しやすくなるでしょう。 少しお笑いの話が長くなってしまいましたが、こういった話は皆さんのいるビジネスの世界も同じなのではないでしょうか。 メンタルを崩しがちで、調子の波がある人に仕事はお願いしづらいでしょうし、どんなに能力が高くとも評価もしづらいと思います。ですから、もし皆さんのなかに「つい完璧を求めてしまう」という方がいらっしゃったら、できるだけ早くその考え方を治すことをおすすめします。 完璧を求める行為はリスクの割にリターンが少ないですし、大抵の場合はリスクを背負ってしまいます。あくまで仕事が相手が満足してくれればそれで合格点なわけですから、自分で自分を追い込むのはやめましょう。 ちょっとしたことであるがゆえに、知らぬ間に自分が追い込まれているということは多々あります。ぜひ気をつけていただけますと幸いです。
本多正識