【バレー】「私はビーチバレーを続けます」から8年 福田鈴菜が社会人で初タイトルに笑顔「もう一回、全国大会で優勝するために頑張っているので」
「ビーチバレーボールという競技が大好きなんです」(福田)
その後、福田は横浜隼人高(神奈川)でもインドアとビーチバレーボールの両立を図り、日本体大進学を機にプレーの場を本格的に砂浜へ絞る。だが、大会に出場すれど、優勝まではあと一歩が届かない。 「高校時代はマドンナカップ(全日本ビーチバレーボール高校女子選手権大会)で2年連続の準優勝でした。ほかの大会でも、いつも2位や3位ばかりだったんです」 その分、思いは募るばかりだった。中学生のときに味わった、あの喜びをもう一度味わいたい、と。 「ほんとうにあの経験は生きていますね。もう一回、全国大会で優勝するために頑張っているので」 福田自身、ビーチバレーボールは中学生になってからで、競技歴は10年に及ぶ。今春からは社会人そして、いちプレーヤーとしてキャリアを前進させた。そこではずっと変わらない思いを抱いている。 「ボールを多く触れるところがいちばん好きですね。ボールを追って、ペアが決めてくれたり、自分が得点できるとうれしさが込み上げてくる。目の前の1点を取るために作戦や声かけが変わってくるので、そんなところも含めて。ほんとうにビーチバレーボールという競技が大好きなんです」
これからビーチバレーボールに励む学生たちへ贈るエール
サテライト高萩大会では実績ある沢目と組んだことで、「繭さんの声かけが勉強になりました。ペアどうしで気合いを入れるタイミングだったり、私が落ち込みそうになったときの励ましの言葉だったり。プレー以外で細かく、私を助けてくれました」と福田にとっては学びを得る機会となった。何より自身にとって実に中学生以来となるタイトル獲得に、「なんだかもう…、優勝っていいですね。みんなにおめでとうと言ってもらえましたし、繭さんと組んで優勝を目指して頑張ってきたので、ほんとうによかったです」と笑顔。キラリと白い歯がのぞく、その表情は8年前と変わらないままだった。 今年もまた、ビーチバレーボールに励む中学生たちの熱い夏がやってくる。今はまだ、その魅力の虜になる前の選手だっているだろう。そして福田のように、ここでつかんだ成果がその後のキャリアを決めるきっかけになり、ずっと自分のモチベーションになることだってありえる。 ビーチバレーボール界で待つ先輩が、湘南の戦いに繰り出す学生たちに贈る言葉。 「今回のサテライト高萩大会では高校生のペアとも試合をしたのですが、私が高校生の頃よりもレベルが高くて!! それに大会も学生たちがラインズマンをやってくれるなど、ビーチバレーボールに触れてくれました。環境があれば、みんなうまくなれると思うんです。なので、一本一本をあきらめずに、ビーチバレーボールをプレーしてほしいなと思いますね」 (文・写真/坂口功将)
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