高石ともやさんしのぶ会にマラソン五輪メダリスト・有森裕子さん出演 名言「自分を褒めたい」の秘話明かす
今年8月に82歳(死因未公表)で亡くなったフォークシンガー・高石ともや(たかいし・ともや、本名・尻石友也=しりいし・ともや)さんをしのぶ会「宵々山(よいよいやま)あとのまつり」が13日、京都市・円山公園野外音楽堂で開かれた。 北海道出身の高石さんは1966年に「かごの鳥ブルース」でデビューし、68年に「受験生ブルース」がヒット。「関西フォークの旗手」と呼ばれ、京都を拠点に活動した。会場は高石さんが1975年から2011年まで計30回、永六輔さん(16年死去、享年83)と中心になって「宵々山(よいよいやま)コンサート」を開催した思い出の場所だ。 ゲストには芸能界屈指のマラソン、トライアスロン好きだった高石さんに感銘を受けた女子マラソン92年バルセロナ五輪銀、96年アトランタ五輪銅メダリストの有森裕子さんが出演した。「宵々山―」には数回出演しており「また呼んでもらえるかなと思ったら、別の形で…」と、しんみり。 有森さんは高校時代、全国都道府県対抗女子駅伝の岡山県代表に選ばれたが3年間補欠だった。京都で開催された際、開会式に出演した高石さんが、明るい表情に見えない選手に向け「何でそんなに悲壮感があるの? ここまで来られたことを知っているのはあなた方自身でしょう。人に褒められるのを待つより、自分を褒めなさい」という言葉をもらい、救われた。 「それだと甘くなると、その言葉を封印したんです。いつか自分が強くなったら言ってやると」。それを実現させ、アトランタ五輪で出た名言が「自分で自分を褒めたい、と思います」だった。のちに高石さんがランナーのために詩に曲を付けて発表した「自分をほめてやろう」で「流れるだけで泣いていました。それだけ思いのある歌。京都女子駅伝のテーマ曲にしてほしかった。ともやさんならではの優しさが詰まっている曲」と次第に涙声に。それでも「歌いましょうか?」とライブ音源をバックに同曲を口ずさみ、1000人を超すファンの拍手を浴びた。
報知新聞社