[山口県]被爆地回るツアー「お悔やみトリップ」 下関市長「軽はずみな表現」陳謝
下関市の前田晋太郎市長は25日、西日本への観光客の誘致を図る官民組織「西のゴールデンルートアライアンス」について市議会で問われた際、被爆地の広島や長崎を回るツアーを「お悔やみトリップじゃないけれども」と表現したことについて、「軽はずみな表現で関係者の皆さまを傷つけてしまったことは許されない。大変申し訳ないおわびの気持ちで深く反省している」と陳謝した。 発言は19日の市議会定例会の一般質問での答弁。今年5月、市も参画する同アライアンス設立総会で「一つの街で海外にPRしてもなかなか届かない。複数の街でストーリーをつくっていきましょう」と提唱したと語った上で、「広島まわって、長崎行って、四国でお遍路まわって、お悔やみトリップじゃないけれども、とかね。滞在時間が拡大するわけですよ。みんなが手を結べばそういう絵が描ける」と述べた。 前田市長は25日に市役所で会見し「決して軽んじてやゆするようなつもりはみじんもなかった」と釈明。「最初はお悔やみツアーという言葉が思い浮かんだが、ツアーは失礼に当たるかと思い、思い付いたのがトリップだった。『ないけれども』は適切な表現ではないが、そういう意味合いでとブレーキをかけながら話をした」と説明した。発言の撤回や議事録からの削除は「今のところは考えていない」とした。 発言を巡っては、20日に市民連合や共産の会派などの市議ら7人が発言の撤回や謝罪を求めて市に申し入れていた。