東京ガス ソリューション事業を第3の柱に 30年度に全利益の25%めざす
東京ガスが、ガスと電力に次ぐ第3の柱と位置付けるソリューション事業の拡大を進めている。脱炭素とデジタル技術を軸にしたサービスの拡充に乗り出しており、2030年度には全体利益約2000億円のうち25%をソリューション事業で稼ぎ出す方針だ。 【関連写真】スレート屋根に薄型軽量の太陽光パネルを接着する 継続的なサービス契約などで稼ぐことを目指すソリューション事業の核は、4月から提供を開始した「IGNITURE(イグニチャー)」。エネルギー管理と先進技術を組み合わせたサービスで、ソリューション事業の利益目標を達成するための主力と位置付ける。 成長戦略の一環として強化しているのがB2B(法人)向けだ。18日には、発電事業者が太陽光発電を設置するPPA(電力購入契約)サービス「ヒナタオソーラー」で、薄型軽量の太陽光パネルをスレート屋根に穴をあけずに設置できる新工法を開発したと発表。接着剤を使って、コストを下げた補強設置を可能にした。 スレート屋根は多くの工場で採用されており、PPAの導入拡大に弾みをつけたい考えだ。200平方メートル以上の広さに対応する。 常務執行役員 CDO カスタマー&ビジネスソリューションカンパニー ソリューション共創本部長の菅沢伸浩氏は、PPAについて「設置を諦めていた屋根への太陽光発電パネルの設置ニーズとマッチしている」と期待を寄せる。 空調機器などの設備を統合的に監視・制御する基盤システム「JoyWatcherSuite(ジョイウォッチャースイート)」には、独自AI(人工知能)で熱源システムを最適制御するソフトを追加する。スタートアップのエイシング(東京都港区)に出資し、AIソフトの開発を推進しており、25年度中の販売開始を目指している。 カスタマー&ビジネスソリューションカンパニー ソリューション共創本部 ソリューション事業創造部 Joy事業責任者の浦田昌裕氏は「ジョイウォッチャースイートは、工場などに導入して管理しやすくするハブになる」と話す。大企業で実績を積み上げた後、中小企業への導入につなげていく。 ジョイウォッチャースイートは、現場業務の効率化を図るソフトウェアシリーズ「Joyシリーズ」の中心となる存在。菅沢氏は「DX(デジタルトランスフォーメーション)商材の核はジョイシリーズになるだろう」と導入件数やサービスの充実に意欲を示している。
電波新聞社 報道本部