「年1万件台も視野」…10月の倒産件数、11年ぶり900件超える
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が11日発表した10月の倒産件数は、TDBが前年同月比17・1%増の925件、TSRが同14・6%増の909件だった。TDBは30カ月連続、TSRは2カ月連続で前年同月を上回った。10月の倒産件数が900件を超えるのは、ともに11年ぶり。物価高、人手不足、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化などが重なり、倒産件数を押し上げた。 【グラフ】倒産件数の推移 負債総額はTDBが同42・5%減の1755億6800万円、TSRが同17・9%減の2529億1300万円だった。 TDBの業種別は7業種のうち6業種で前年同月を上回った。「建設業」が同24・1%増の201件と大幅に増加し、11年ぶりに200件を超えた。資材価格の高止まりや人手不足が影響した。「製造業」は同14・3%増の104件だった。 TSRの産業別は10産業のうち7産業で前年同月を上回った。「建設業」が同14・0%増の187件、「製造業」が同1・9%増の105件だった。ともに2カ月続けて前年同月を超えた。 TSRは今後について「業績不振の企業の息切れに加え、売り上げ増に伴う資金調達が追いつかない企業の黒字倒産が押し上げる形で、倒産が増勢をたどる可能性が高い」とみる。TDBは「現在のペースで倒産件数が推移すれば、年間の倒産件数は11年ぶりに1万件台も視野に入る」と分析する。