第93回選抜高校野球 八戸西、初の夢舞台 県勢初の21世紀枠、決意新た(その2止) /青森
◇積極的な打撃で躍進 支援学校との交流も評価 秋季県大会で準優勝し、東北大会では初戦の福島商(福島)を七回コールドで降し、圧勝。準々決勝は甲子園常連校の花巻東(岩手)を相手に1―2と健闘し、初出場ながら持ち味の堅守と強打を存分に発揮し、チーム力を見せつけた。 部員らが八戸市の八戸高等支援学校とスポーツ交流会を行ったり、支援学校の生徒が野球部が練習で使うボールを補修したりするなど日常的に交流を続けていることも、大会の選考委員会で「世界的潮流であるインクルーシブ教育に取り組んでいる」と高い評価を受け、21世紀枠でセンバツの切符をつかんだ。 県大会では積極的な打撃が光り、決勝以外の4試合で7点以上を挙げた。初戦は東奥学園に10―0で五回コールド、2回戦は東奥義塾に9―6で勝利した。準々決勝では八戸工大一の打線を抑えて7―1で降し、準決勝では青森に8―0で七回コールドを決めた。 チームの柱は秋季県大会全5試合で先発した188センチの長身右腕のエース、福島蓮投手(2年)。角度のある直球とスライダーを武器に県大会では28奪三振をマークした。 小川貴史監督は「まずは1勝して甲子園で校歌を歌いたい。打ち勝っていきたい」と語る。【南迫弘理】 ◇「文武両道」目標 1975年創立 野球部も同年創部 1975年に創立された男女共学の県立校。校訓は「自啓自発」。創立当初から「文武両道」を目標に勉学と部活動の両方に力を入れている。普通科に加え、2001年にはスポーツに関する専門的な教育を行うスポーツ科学科が新設された。 野球部は学校創立と同じ75年に創部。最高成績は82年と16年の春季県大会優勝で、甲子園出場は初となる。現在の部員はマネジャーを含め43人。同市内の特別支援学校とスポーツ交流会などを通して親交を続けている。OBに元北海道日本ハムファイターズの中村渉さんら。