【詳報】ドン・ファン元妻に実刑判決 別男性から現金だまし取った詐欺罪で懲役3年6カ月
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた田辺市の野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして起訴された元妻の須藤早貴被告(28)が、別の男性から現金をだまし取ったとして詐欺罪で追起訴された事件の判決公判が2日、和歌山地裁であった。福島恵子裁判長は、懲役3年6カ月(求刑=懲役4年6カ月)の実刑判決を言い渡した。 【【詳報】ドン・ファン元妻に懲役4年6月求刑 検察側が別男性への詐欺事件で、の記事はこちら】 判決によると、須藤被告は2015年3月~16年1月に3回、男性から計約2980万円をだまし取った。アルバイトで働いていた札幌市のキャバクラに客として来た男性と知り合い、壊してしまった美容専門学校の機械の弁償金や海外留学の準備金などとして受け取っていた。 これまでの公判で、弁護側は、美容師になりたいという夢を応援したかったから金を振り込んだという男性の証言について「うそにうそを重ねた」と主張。いつか性的な関係が持てるという思いから渡していたとみるのが自然で、詐欺罪が成立するとは言えないなどと訴えていた。 判決は、男性が性的接触を得たいという意図を持っていたとしても「(須藤被告の話が)うそだと分かっていたと推認する根拠にはならない」などとし、男性の「うそだと分かっていれば金を渡すことはなかった」という供述は信用できると認定した。 須藤被告の殺人罪の公判は、12日に始まる。裁判員裁判で審理される。 ◇ おことわり 須藤被告は事件当時、未成年でしたが、野崎氏殺人罪の被告人でもあり、事件の重大さを考慮し、実名で報道します。
紀伊民報