事実上の廃線方針受け… 利用者ら「困る」 弘南鉄道大鰐線(青森県) 沿線に学校、存続訴え
弘南鉄道大鰐線(大鰐-中央弘前)が2027年度末で事実上の廃線となることが明らかになった27日、通勤・通学などの同線利用者からは「すごく困る」「利便性を考え存続を」と驚きや戸惑いの声が聞かれた。 青森県弘前市の中央弘前駅では帰宅時間の午後5時半ごろ、15人ほどが大鰐行き列車の乗車を待っていた。20年以上同線を利用しているという木村桂子さんは「街中に用事があるたびに使っているので、気軽に乗れる公共交通がなくなるとすごく困る」と話した。通勤で使っている市内在住の公務員小林健太郎さん(39)は現在、夫婦で1台の車を共用しており「新しい車を買わないといけないかもしれない。交通渋滞など地域に新しい課題が生まれるのでは」と先行きを案じた。 弘前学院大1年の木村紗雪さん(同市)はリンゴ型のねぷた灯籠や紙細工の雨傘を飾った装飾列車を挙げ、「温かみのある列車で友達と一緒に楽しんでいた。小さい頃から当たり前にあった物がなくなるのは寂しい」と声を落とした。 沿線の教育関係者にも戸惑いが広がった。東奥義塾高校(同市)の加藤真之教頭は「大鰐線には校名を冠した駅名があるぐらいで、利用する生徒が一定数いる。通学面での利便性を考えると存続してほしい」と求めた。東奥義塾中学校(同市)の小澤直史教頭は「私も高校生の時、通学で中央弘前駅から義塾高校前駅まで大鰐線を利用していて、寂しい思いがある」と話した。