「世界のベストレストラン50」日本の店がTOP10に入るには 世界1位はスペインの店 日本の店で今回最高は15位
『ディスフルタール』には料理開発のためのラボがあって、そこで100回でも200回でもテストを繰り返していました。それだけ人員の余裕もある店でした」(赤木さん) ■順位はその国のレストランの存在感を象徴 このランキングに先立って、3カ月前の2024年3月に「アジアのベストレストラン50」が発表された。 そこではアジアの1位(セザン)2位(フロリレージュ)と日本のレストランが占め、50軒のなかに東京や大阪、福岡などから9軒がランクインするなど、アジアの中での日本のレストランの存在感を感じさせる結果だったのは記憶に新しい。
それを考えると、今回の「世界のベストレストラン50」最高位が15位というのは少々意外な感があった。 ちなみに、アジア最高位は9位の「ガガン」(タイ・バンコク)。上位10軒は欧州のレストランが半分を占めている。この順位をどのように考えればよいのだろうか。 「アジアのベストレストラン50」も、今回の「世界のベストレストラン50」も、どちらも関係者の投票で選ばれる。アジアなど各地域の投票者と「ワールド」のそれは異なるともいわれ、アジアの順位がそのまま「ワールド」にスライドされるわけではなさそうだ。
■「世界のベストレストラン50」の特徴 評価基準は異なるが、世界統一基準でレストランを評価しているといわれるミシュランガイドでは、東京・京都・大阪・奈良の4都市だけで三つ星20軒、二つ星が63軒ある(2024年7月現在、ミシュランガイド公式サイトによる)。これはフランス全土での軒数に迫り、スペインやイタリアのそれを上回る。 これは、こと料理の味の点においては、日本のレストランが世界でも突出したポテンシャルを持っており、そのような店の軒数自体もとても多いことの証左でもあるだろう。
しかしその「多数」というのが逆に、日本を訪れる(投票者を含めた)ゲストの支持が分散する原因でもあると関係者の間では言われてきた。 このランキングの最大の特徴は、いうまでもなく1位から50位までの順位がつくことだ。どのレストランがランクインしたかと同じかそれ以上に、何位だったか、昨年より上がったか下がったかが見る人たちを一喜一憂させる。カウントダウン形式で1軒ずつ発表され壇上に呼ばれる緊張感も、順位があってこそだ。