【日本ハム】運命の現ドラ移籍も…「清宮フレンズ」はそれぞれの思いを胸に来季へ挑む
日本ハムファンにとっておなじみの「清宮フレンズ」が今年もFFES(ファン感謝祭)にて大反響を呼んだ。キヨコこと清宮幸太郎を筆頭に、タクコこと山本拓実、コウコこと北山亘基、エイコこと田中瑛斗の4人が昨年に引き続き、華麗なダンスパフォーマンスを披露、ファンを喜ばせた。 【動画】清宮は西武戦で先制3ランを放ち、今季10号をマークした 昨年はこの4人に加え、ソフトバンクへ現役ドラフトで移籍した長谷川威展、そしてオフに育成選手として再契約をした北浦竜次もステージに上がっていた。 清宮フレンズは、清宮の同学年の選手たちによって結成されたもの。来年26歳になるこの世代は、まさにチームの軸になりつつある。 そんな彼らの今季を振り返るとともに、来季への展望も見ていきたい。 まずは"リーダー"の清宮。今季はキャンプイン直前に左足を負傷。春季キャンプはリハビリに徹し、開幕も出遅れる形となった。開幕後に昇格するも、思うような結果を残せず、一度不振での降格もあった。 だが、勝負の夏場に入ると7月は打率.383、3本塁打、8月には打率.320、7本塁打の活躍をみせ、チーム上昇の起爆剤となった。その後も好調は続き、9月26日の楽天戦ではチーム6年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決める勝ち越しソロを放つなど存在感を示した。ロッテと戦ったCSファーストS3戦目では、2点ビハインドの場面で同点打を放ち勝利に導くなど、ここ1番での勝負強さとスター性が高く評価された。 シーズン序盤は出遅れたものの、終わってみれば89試合に出場。打率3割に到達したことも話題を呼んだ。3年連続二桁ホームランとなる15本のアーチを記録し、打点51。シーズン終了後には、侍ジャパンの一員として「プレミア12」にも出場。日の丸を背負い世界と戦う姿も見られるなど、充実した年となった。契約更改の場では、来季の目標を、全試合出場に30本塁打とと主力の気合を示した。今季届かなかったリーグ優勝、そして日本一へ、この男の活躍がひとつカギとなる。 また「教授」の愛称で知られる北山は3年目の今季、シーズン初登板となった4月3日の楽天戦で7回途中1失点で初勝利を挙げると、同20日のロッテ戦では自身初の完封勝利を挙げるなど、順調にローテーションの一角を担っていった。 だが、6月上旬に左足の疲労骨折で戦線離脱を強いられることに。その後は約1ヶ月半のリハビリ期間をへて8月中旬に再び戦列復帰すると、そこからシーズン最後までローテーションに再加入。ロッテとのCSファーストSでは、勝負の第3戦目の先発に抜擢されるなど、首脳陣からの信頼も厚かった。 今季の成績は14試合に登板し、5勝1敗、防御率2.31という数字を残した。さらにシーズン終了後は、清宮と同じく自身初の侍メンバーに抜擢され、プレミア12の日本代表として日の丸を背負い、中継ぎとして4試合に登板。持ち前のキレのあるストレートで三振を奪うなど、国際舞台でも存在感を示した。 続いて、山本。今季は開幕一軍に名を連ねると、勝ちパターン、ビハインド、ロングリリーフなど様々な場面で登板。与えられた場面で自らの仕事をきっちりこなし、36試合に登板し防御率は1.82と抜群の安定感をほこった。 中継ぎながら6勝をマーク。山本が投げればチームが逆転勝ちするなど、「勝利の使者」としても注目を集めた。迎えたCSでは指揮官から抑え候補として指名を受けていたが、背中の張りにより無念の離脱。来季は果たせなかった、抑えへ意欲を示している。新庄剛志監督がすでに、来季の抑えとして田中正義、齋藤友貴哉を指名する中、再び信頼を取り戻すための快投を見せられるか。 そして、FFESでは清宮フレンズのメンバーとしてステージに上がったものの、今月9日の現役ドラフトで巨人への移籍が決まり"脱退"となってしまった田中。 高卒7年目の右腕は一時は右ひじ手術の影響もあり、育成契約の時期もあったが、その後、支配下に復帰。プロ5年目に初勝利をあげると、今季は1軍では3試合の登板にとどまるも、高いポテンシャルは認められていた。150キロ超の直球、スライダー、スプリットのコンビネーションでイースタン・リーグでは29試合に登板、5勝2敗、43奪三振、防御率2・35の成績を残していた。 昨年まで"メンバー"だった長谷川や、今年チームで大ブレイクを果たした水谷瞬など、身近に現役ドラフトで花開いた選手もいる。チームは違えども、新たな地での活躍を願いたいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]