“日本一売れる駅弁”を作る駅弁業者が語る、「ものづくりで大切なこと」
昭和の初め、「横浜名物を作りたい」という思いから「シウマイ」、そして中華料理の道を歩み出した崎陽軒。鉄道構内営業だけでなく、レストラン事業なども手掛けるなか、中華へのこだわりがたっぷり詰まったのが、「横濱中華弁当」(1160円)です。当時の横浜には、中華だけでなく、西洋料理もあったはず。そのなかで崎陽軒が中華料理という選択をして、「シウマイ」に着目したからこそ育まれた味といえましょう。
【おしながき】 ・俵型ご飯(黒胡麻) ・昔ながらのシウマイ3個 ・海老のチリソース ・野菜と黒酢の酢豚 ・彩りチンジャオロースー ・油淋鶏(ユーリンチー) ・風味蒲鉾とクラゲの酢の物 ・ザーサイ
蒸気炊飯で炊かれて成形された俵型ご飯に、昔ながらのシウマイ3個をはじめ、酢豚やエビチリなど、人気で定番の味を存分に楽しめます。令和元(2019)年のリニューアルで、より一層、彩り豊かで見た目も華やかな中華弁当となりました。全国の数ある駅弁でも、ここまで本格的な中華料理は、ほとんどありません。しかも、それが“冷めてもおいしい”。時間の都合で中華街へ足を運ぶことが出来なかった方にも有難い存在ですね。
この春、「シウマイ弁当」が70周年、秋には東海道新幹線が開業60周年、2025年には、駅弁が140年の節目を迎えます。全国50の駅弁業者を巡って感じるのは、駅の立地は工夫次第で乗り越えられるということ。そのベースには、鉄道構内営業にルーツを持つ会社の“旅人をもてなす心”から生まれた“お客様ファースト”の精神があります。そんな駅弁の心を感じながら、この春も鉄道の旅を楽しんでみませんか? (平成28(2016)年から8年間お届けしてきた、ニッポン放送NEWS ONLINEの「ライター望月の駅弁膝栗毛」は、今回が最終回です。お読みいただきありがとうございました)
ライター望月の駅弁膝栗毛 「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介! 著者:望月崇史昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。 駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/