【堂本光一 コンマ一秒の恍惚web】フェラーリとマクラーレンにタイトル挑戦のチャンスが出てきた
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE9 第8戦モナコGPでフェラーリのシャルル・ルクレールが今季初優勝を挙げた。2位にはマクラーレンのオスカー・ピアストリ、3位にはフェラーリのカルロス・サインツがそれぞれ入り、王者レッドブルはドライバーを表彰台に送り込むことができなかった。 【写真】悲願の母国優勝を飾ったルクレール シーズンが進むにつれてフェラーリとマクラーレンの競争力が向上し、レッドブル一強の状況が崩れ始めているように見えるが、これからタイトル争いの行方はどうなっていくのだろうか!? * * * ■ルクレールの勝利を除けば退屈なレースだった フェラーリのシャルル・ルクレール選手が悲願の母国GP制覇を達成し、今シーズン初勝利を挙げました。モナコGPで母国人が優勝したのはF1史上初とのこと。表彰式ではプレゼンターとして登場したモナコ公国のアルベール2世大公がルクレール選手とともにシャンパンファイトをされていました。そんなシーンはこれまで見たことながなかったので、びっくりしましたね(笑)。 でも今年のモナコGPの決勝はルクレール選手の優勝が唯一良かったことだったかもしれません。予選は上位勢のタイムが接近しており、非常にスリリングだったのですが、決勝に関しては、市街地コースが舞台となるモナコGPの一番悪いところが出てしまったと感じました。 ガードレールに囲まれたモンテカルロ市街地コースは狭く、現代のF1ではオーバーテイクがほぼ不可能です。だからピットストップでのタイヤ交換のタイミングが非常に重要となり、各チームがどういう作戦をとってくるのかというのが見どころだったのですが、今回のモナコでは1周目にクラッシュが発生し、赤旗中断となりました。 このタイミングで全車がタイヤ交換を行なったため、もはやピットストップする必要がなくなってしまった。その結果、上位のドライバーたちはみんな後ろを見ながらタイヤをいたわり、超スローペースでゴールを目指すという展開となったのです。まるで長い長いパレード走行を見ているようで、正直、退屈なレースでした。