旧ジャニーズのタレントたちは結局どうなっていくの? 「SMILE―UP.」が設立した新会社のトップ、福田淳氏が語る「狙い」と「野心」
「韓国のタレントがグラミー賞の舞台に出ることができて、日本のタレントが出ていないのは個人の力の差ではない。韓国の会社にはグローバルスタンダードでの経営があるからではないか」 ▽「独自のプラットフォームで日本を代表するようなサービスができないか」 ―性加害を証言した人への誹謗中傷も続いている。メッセージを発するべきではないか。 「痛ましい事件で、償わなければいけない。それを背負ってやるスマイルアップにお聞きになればいいと思う。新会社(スタート)は、タレントさんやコンテンツ、歌や踊りの素晴らしさを途絶えさせないために作った。個人的には皆さんの心が癒やされればと思うのですが、ここでおわびする立場でもありません」 ―芸能事務所とタレントのあるべき姿とは。 「10月2日に(旧ジャニーズ事務所が)エージェント制を宣言された。あれが一番驚いた。日本で一番大きい事務所がエージェント制を取るとは、日本の芸能も進んだなと思う。本来、タレントに選択の自由、移籍の自由もあるべきです。(事務所を)出たら許さないぞという『共演NG』とかが仮にあれば、正常な商取引とは言えない。この人を使わなければこの人を出演させないということがあれば、作品そのものがゆがみ、本末転倒だ」
「今回、エージェント制と専属マネジメント制のハイブリッド型でいける。旧ジャニーズでは、若いときから歌や踊りを鍛錬して選抜メンバーがグループとして出ていく。そのグループで歌と踊りとライブエンターテインメントで人を楽しませるビジネスモデルだ。おそらく専属マネジメント契約の方が適していた。30~40代になって『何々をしたい』となったとき、エージェント契約は効いてくる。だからグループは専属マネジメント契約で、個人はエージェント制(を選ぶタレント)が多いかなと思う」 ―旧ジャニーズ事務所や藤島ジュリー景子前社長の創業家一族から支援を受けているか。 「全くありません。スマイルアップの関連企業からも全くありません。だから大変なんですよ」 ―新規分野として打ち出した音楽配信の収益性や成長性をどう見ているか。 「CDが古いとは全く思っていない。よく実態を見るとすごいプレミアムグッズなんです。手の込んだ装丁にリーフレットが入っていたりする。みんなそれを持つことが楽しい。やっぱり実際に物を持つ楽しみがあると思う。それと別に、音楽業界を見るとCDから配信に変わると、1曲当たりの収益は大きく減る。そうすると音楽をやっている限り、じり貧になる。ところが米国は乗り越えた。いろんなSNSがあって、必ずしも(音楽配信サービス大手)スポティファイだけではなくて(配信元)1人だけのサブスク(定額配信)のプラットフォームがあったりする。(利用者が)大体50万人ぐらいいると成り立つ。スタートエンターテイメントの規模からすると、独自の配信プラットフォームを作って日本を代表するようなサービスができないかなと夢見ています」