旧ジャニーズのタレントたちは結局どうなっていくの? 「SMILE―UP.」が設立した新会社のトップ、福田淳氏が語る「狙い」と「野心」
「新会社の契約形態は、エージェント制とマネジメント制のハイブリッドなスタイルになる」。具体的にどういう形になるのか想像がつかない。福田氏も「世界のエンタメ業界においても新しいビジネスモデル」と話している。 ▽「ジャニーズのやり方を最も批判してきた人間の1人だった」 新会社は2024年4月に全面稼働する予定だが、実際、どうなっていくのか。福田氏は12月9日、一部の新聞・通信社の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。 福田氏 「ジャニーズ事務所のタレントとして築いてきた彼らの歌、ダンス、演技、これら一流コンテンツは、世界中に大きな影響を与えてきた日本の宝です。タレントたちは、日本はもちろん世界一を取れるレベルです。私は米ハリウッドや韓国、中国などエンタメ業界のトップとコネクションを築いてきた。グローバル展開を考えたいタレントには、そうしたコネクションを築く機会をつくります。長年IT業界にいたので、DX(デジタルトランスフォーメーション)化や、独自の音楽配信サービスの立ち上げ、メタバース領域への参入など、特に若いタレントが将来を見据えて興味を持つ最先端技術の方面も動かしていく構想です」
―なぜ社長を引き受けたのか。 「私はこれまで、ジャニーズ事務所のやり方を最も批判する者の一人でした。ジャニーズ事務所のやり方とは違うエージェント会社を手がけてきた。まだまだ可能性を秘めたこの集団と、私の36年間というエンタメビジネスの経験を掛け合わせ、大きな化学反応が起きるといいなと考えました」 「ジャニー喜多川氏が犯した罪は、世界的に見ても到底許されない。一方、東山紀之さんと井ノ原快彦さんからいろんな話を聞くと、みんなジュニア時代に『あいつ、いいね』『あの踊り、格好良い』と話し、憧れの先輩がいて、そこ(事務所)に入る美しい系譜みたいなものがあって一大コンテンツを生み出した。それが、いろんな批判の中でなくなってしまうのが本当に良いのか。自分の専門性でその素晴らしいコンテンツを救えるんだったら、一助になるかもしれない」 「創業者の目利きでずっと経営されていたのでしょう。この件(性加害問題)があるかないかに関わらず、日本の芸能事務所は次につなげるビジネスモデルが弱い。口利きでずっとやってきた古い業界でしょうから、近代化させる良いきっかけにできるのではないかと、少し野心もありました」