巨人・菅野の抜けた穴をどうする?…5年目の堀田賢慎が名乗り、侍でも活躍、同学年の井上温大らの”壁”を越えローテを勝ち取る
◇記者コラム「Free Talking」 エース・菅野智之投手(35)がメジャー挑戦を表明した巨人。川崎市のジャイアンツ球場で行われた秋季練習では、多くの若手投手が来季の先発入りへ名乗りを上げた。その一人が5年目右腕の堀田賢慎投手(23)だ。 今季は先発ローテの一角を担った時期もあったが、初回に5失点した6月12日の楽天戦(楽天モバイル)以降、先発の機会は巡ってこなかった。入れ替わるようにローテに定着したのが同学年の井上温大投手(23)。自己最多の8勝を挙げて野球日本代表「侍ジャパン」にも初招集され、13日に行われた「プレミア12」の初戦・オーストラリア戦(バンテリンドームナゴヤ)で勝利投手となった。 2019年秋のドラフト会議では堀田が1位、井上が4位で指名された。同期の高卒投手は2人だけで、「3軍からずっと一緒にやってきた」と堀田。戦友となった。プライベートでも好きな靴の情報交換をしたり、一緒に買い物に行く仲だ。 しかし、今は堀田にとって井上は越えなければならない壁。「すごいなって思いもありますけど、悔しさも持っている」。反骨心が来季へのモチベーションとなっている。 強力なライバルとなるのはこちらも同学年の西舘勇陽投手(22)だ。岩手県出身の本格派右腕、ドラフト1位入団と共通点が多いため比較されることもあるが、堀田は「ゲームの話をしたり、仲はいい」と笑う。 西舘は4日からプエルトリコのウインターリーグで腕を磨いている。堀田も負けていられない。秋季練習ではフォーム改良へ試行錯誤中。スタミナをつけるためにブルペンで100球以上投げ込んだ日もあった。「温大(井上)やダテ(西舘)とも仲はいいけど、勝っていかないと1軍にはいられない」と過酷な争いを戦い抜く覚悟だ。 阿部監督が「菅野の抜けた穴をどう埋めるか。考えるの楽しいですよ」と語るのも、若手投手陣の素材の良さを実感しているからこそ。21世紀生まれの若武者たちがハイレベルな競争を繰り広げれば、来季こそ日本一奪回を成し遂げられるはずだ。(巨人担当・杉原雄介)
中日スポーツ