2連覇を目指すトヨタ自動車は2区に強力新人の鈴木芽吹、3区に五輪代表の太田智樹、5区には西山雄介と世界を目指す選手たちがタスキリレー【ニューイヤー駅伝プレビュー】
安定した強さは日本でも一・二を争う選手に成長したが、その西山でさえ入社後2年間はトヨタ自動車のニューイヤー駅伝メンバーに入れなかった。3年目の初出場で3区区間賞は、トヨタ自動車でメンバー入りすることのレベルの高さを示している。 西山は入社当初、「一生メンバーに入れないかもしれない」と感じていた。だが「勇馬さんたち、トヨタ自動車で強くなっている人たちは、基礎をしっかりとやっていました。自分が(応用的に)やりたい部分をするためにも、基礎を怠らないことが重要だったんです」と気づいた。 その一例がレースのウォーミングアップを始める前にも、2時間も準備をすること。「みっちりやるというよりも休みながら、上半身をメインに、特に肩甲骨を動かせるように動的ストレッチを中心に行います。走っているときに肩甲骨がスムーズに動かないと力んでしまいます。呼吸も上がって、脚も力んで止まってしまうんです」 そこから前述の10000m27分台、そしてマラソン進出につなげていった。駅伝では4年間、スピード区間で前半の流れを決める3区か、当時最長区間だった4区を走った。前回は6区に回って区間賞。優勝を決定づける走りで貢献した。近年は若手選手たちから“絶対に試合で外さない選手”の代表のような見方もされるという。「僕なりに勉強も苦労もしてきているのですが…」と、今は笑いながら話せるようになった。「練習でも若い選手たちに負けず、前で引っ張っています。以前との違いは、僕自身が走ることで何かを後輩たちに伝えられたら、と考えるようになったことです」 今回は自身初の5区。どんな走りで世界を目指す選手の存在感を示すのだろうか。 ■前回同様2、3区で主導権を握ることができるか 前回から2、3、4区の距離が変更になった。2区が最長区間になり、3区の距離も1.8km長くなった。前回は2区の太田と3区の田澤の合計タイムが1時間44分53秒、2番目に速かった旭化成に50秒もの差をつけた。太田は前回2区で区間2位に26秒差を付けたが、今回は3区を任された。